2023年12月01日 1799号

【日本・イスラエルの軍事協力 命脅かす琉球弧軍事化を追及 防衛省】

 防衛省交渉は、イスラエルのパレスチナ侵攻と沖縄・琉球弧軍事化が中心だ。

 まず、「邦人救出」に自衛隊機を使うことは現地での戦闘を誘発しかねない点を追及。防衛省側は「外務省からの要請」との言い訳のみで、なぜ民間機でなく軍用機なのかの明確な理由さえ示せなかった。

 日本とイスラエルとの軍事技術開発の協力・推進について、担当は「イスラエルは防衛生産・技術が世界的にも高く、導入しようとしている」と狙いをあけすけに述べる。「その高い技術で作った兵器で病院を攻撃し、ガザの多数の命を奪っている。日本の協力が虐殺をあおっている」との指摘に対しては、「防衛技術開発協力は別」と言い繕う。

 沖縄の基地問題で、オスプレイが墜落事故を起こしたことでは、「米軍から報告を受け事故が起きないよう対策」「MQ9(無人攻撃機)は安全」と実際とかけ離れた発言を繰り返した。

 琉球弧の各地に配備したミサイル弾薬庫の爆発事故の危険性について迫ると、「安全基準を満たしている」とし、住宅のすぐ近くに弾薬庫を置く危険性は不問に。辺野古新基地でも「唯一の解決策」と従来の答弁をひたすら並べるだけだ。

 担当官僚の答弁は、戦争準備と市民の被害の現実を覆い隠すことに終始した。しかし、ミサイル基地や自衛隊配備・日米合同訓練強化がどれほど住民の命を脅かすかを事実で迫れば、政府・防衛省を追い詰めていけることも明らかとなった。

(ZENKO事務局・森文洋)
MDSホームページに戻る   週刊MDSトップに戻る
Copyright Weekly MDS