2023年12月01日 1799号

【国際基準で避難者住宅追い出しの矛盾を突く 反原発】

 原発関連は、避難者住宅確保など4テーマで要請。

 国家公務員住宅からの避難者住宅追い出し問題では、家主である財務省理財局も復興庁も「福島県が行っていること」と逃げる一方で、「避難者への相談など県は努力」との間違った認識のままでいる。国連人権理事会の7月報告書で住宅追い出しが「権利の侵害」に当たるとされたが、復興庁参事官補佐は「侵害に該当しない」と返答。「県と避難者の関係の実態をつかんでないのにどうして『該当しない』と判断できるのか。それが日本の正式見解か」と矛盾を突くと、「『侵害している』とも言えないので…言い方は気を付ける」と撤回した。「国内避難民に関する指導原則」で「代替措置」が伴わない強制移動が禁じられており、今後、人権意識の低い福島県・国との争点になっていく。

 再生可能エネルギーを取り上げたのは初めて。再エネの電源構成比「2030年まで40%近くをめざす」(資源エネルギー庁)とした目標の低さが今後問われる。

 汚染水については、陸上保管やトリチウム除去システムの要請で、トリチウムなど核種の危険性を議論していく下地は作られた。

 原発再稼働をめぐっては、関西電力の高浜・美浜原発での相次ぐタンクや配管などの不備を指摘。原子力規制庁の老朽化原発への厳しい対応を迫った。日本原電の東海第二原発で起きた防潮堤・取水口部の重大欠陥工事では、「『安全神話』の立場はとらない。しっかりチェックしていく」(規制庁)と返答。「たまたま事前に分かったが、工事後では見破れない欠陥をプロセスからつかむべきで完了後検査のシステムは危ない」と批判した。

 経産省の下請け化する原子力規制委員会。監視の必要性が浮き彫りとなった。
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