2023年12月01日 1799号

【東海第二原発 動かすな/フクシマを忘れない/首都圏大集会に700人】

 東京に一番近く、30キロ圏内に94万人が住み、運転開始から44年を経た老朽原発=日本原電・東海第二原発。その再稼働を絶対許さないと11月18日、都内で首都圏大集会が開かれ、700人が参加した。

 原子核工学博士の小出裕章さんが「嘘で固められた原子力」を告発する講演。「出力100万キロワットの原発1基(東海第二は110万キロワット)が1年運転するごとに燃やすウランの重量は広島原爆のゆうに1千発分。世界一の地震大国・日本に原発を建ててはいけなかった」とし、「日本原電には新規制基準に対応する工事の費用すらない。東電が肩代わりする。そのカネは私たちの血税。私たちが犯罪に加担するのは真っ平ご免だ」と警鐘を乱打した。

 いわき市から避難している福島原発被害東京訴訟原告の鴨下美和さんは、ヨウ素131を計測した航空機がいわき市など人口過密地の上空を飛んでいなかったことを明らかにし、避難指示範囲は政治的に決められたと指摘。前茨城県東海村村長の村上達也さんは「村議会多数派も現村長も再稼働に前のめり。止めるには目に見える反対運動、キング牧師の『セルマ大行進』やガンジーの『塩の行進』のような行進が必要ではないか」と提唱した。

 防潮堤工事の施工不良発覚、東京高裁に継続中の差し止め訴訟についての報告に続き、各地の運動グループがのぼり旗や横断幕を手に壇上に勢ぞろい。集会後は神田古書店街をデモし、「東海第二再稼働反対」のコールを響かせた。

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