2023年12月08日 1800号

【1800号主張/11・23県民平和大集会に1万人/沖縄 世界を戦場にさせない】

世代超え戦争阻止へ結集

 日米両政府による沖縄の軍事化に反対し「対話による信頼こそ平和への道」と呼びかける「全国連帯 県民平和大集会」(沖縄を再び戦場にさせない県民の会主催)が11月23日、那覇市で開催され、目標を上回る1万人以上が集まった。全国の市民とともにZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)も参加し、集会成功の一翼を担った。

 米軍基地だけでなく、自衛隊を含むすべての基地強化に反対する全県的枠組みが作られた。長く反基地運動を担ってきたシニア世代と、その運動になかなか足を運べなかった若者世代が何度も対話し、協力態勢を作った。若者たちが提案したさまざまな企画・アイデアが受け入れられ、世代を超え老若男女が会場を埋めた。沖縄の反戦、反基地運動は新しい時代を切り拓こうとしている。

世界と沖縄を結ぶ意義

 5年間で軍事費に43兆円も費やし、岸田政権は南西諸島軍事要塞化へ暴走している。沖縄島はもちろん、与那国、石垣、宮古、奄美、馬毛島。島々に基地が作られ、強化され、軍事が日常に入り込む。その困難な中、島々で声を上げる人びともこの集会に結集した。

 沖縄県民は、ひと月で1万人以上の犠牲が出たガザ地区にみずからの危機感を重ねる。封鎖され逃げ場のない市民にイスラエル軍の無差別攻撃が加えられたのだ。世界各地で戦争を起こし、利益を上げるグローバル資本主義とそれに連なる戦争屋を退場させなければ人類に未来はない。

 だが今、かつてない規模の市民がパレスチナ連帯で立ち上がり、停戦を迫っている。日本でも岸田政権の軍拡・戦争路線を許してはならない。こんなときだからこそ、軍事化に反対する沖縄県民が世代や立場を超えて集い平和大集会を成功させたこと、全国で同時に連帯行動が取り組まれたことは大きな意義を持つ。

スピーキングツアーへ

 沖縄戦で県民の4人に1人が死亡し、朝鮮、ベトナム、イラク戦争では沖縄の基地から米軍が飛び立った。殺し、殺される戦争を経験した沖縄県民の、島々を再び戦場にさせない決意は「対話を通じた相互理解と相互尊重の立場で問題解決を図ることが先の戦争から学んだ教訓」とする集会の宣言に表現されている。宣言は「思想信条を越え老若男女が手を取り合って団結する」ことを呼びかける。玉城デニー知事は、戦争には「どこかで拳(こぶし)を収め、怒りをしずめるタイミングがある」と停戦と平和な未来を訴えた。国内外の市民が沖縄の声に応えるときだ。

 「台湾有事NO!沖縄を再び戦場にさせない ZENKOスピーキングツアー」が12月2日にスタートする。沖縄と全国、世界をつないで成功させ、戦争と軍事化を止めよう。

  (11月27日)
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