2023年12月08日 1800号

【みるよむ(674)/2023年11月18日配信/バグダッド・ソフトドリンク社労働者 賃上げ 労働条件改善へストライキ】

 バグダッド・ソフトドリンク社では、長時間労働と低賃金に苦しんでいる労働者が、賃上げと労働条件改善を求めてストライキに入った。2023年8月、サナテレビはこの労働者の闘いを取材した。

 バグダッド・ソフトドリンク社では、朝からの勤務で10時間、夜勤だと14時間も働かされる。工場で24年間働いてきたアーメド・アリさんは「物価高が続いているのに、長時間の残業代も含めて賃金は月に60万ディナール(約7万2000円)だ」と訴える。

 アーメド・アリさんたちは、8時間労働と時間外賃金の引き上げを要求してストライキに突入した。労働大臣と国会議員に面会し、自分たちの置かれている状況と要求を訴えた。

 ところが、交渉後、工場に帰ると、経営陣による攻撃が待っていた。労働者の朝の勤務と夜の勤務を勝手に変えるなどの嫌がらせをしてきた。また、職場調整委員会の代表が選ばれたが、その人物は労働者の解雇を計画した。これも経営陣による策略だという。

ひるまずに闘う

 それでも労働者たちは、工場の外にテントを張ってストライキを続けた。その声が紹介される。「5年働いても、10年働いても、25年働いても賃金は変わらない」というものだ。こうした資本の不当な扱いへの怒りが労働者をストライキに立ち上がらせたのだ。

 労働者たちは孤立していない。労働組合機関紙の代表団が面会にやってきた。機関紙でも報道されているし、サナテレビももちろん報道している。

 長年、低賃金と長時間労働に苦しんできたバグダッド・ソフトドリンク社の労働者はストライキで闘い、対政府交渉にも臨んだ。資本による不当な配置転換や解雇の攻撃にも労働者評議会など闘う組織を作って立ち向かっている。闘うイラク労働者と連帯しよう。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)

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