2023年12月15日 1801号

【声明/中東の労働者階級へ/ガザ大虐殺を止める力 発揮しよう/イラク労働者共産党ほか】

 イスラエルによる大量虐殺をやめさせる力を労働者階級は持っている。戦争のための資材輸送を止めようとイラク労働者共産党などが中東の労働者に呼びかけた。その声明の一部を紹介する(抄訳、見出しは編集部)。

 過去40日間、ガザで起きていることは世界を憤慨させた恥ずべき大量虐殺と民族浄化である。イスラエルの行為は「安全保障」や「自衛」とは何の関係もない。中東が何十年もの間、安全を脅かされている状況にあるのは、世界のブルジョアジーにとって政治的、軍事的、経済的利益の重要な源泉となっているからだ。

 支配勢力に対する手綱がない限り、あらゆる国際条約はこの犯罪を止めることはできない。国連や事務総長、その側近は役に立たない。アラブの諸政府もパレスチナ人の偽りの友人にすぎない。11月11日にリヤドで開催された「アラブ・イスラム緊急首脳会議」は、パレスチナ擁護を口にするものの、イスラエルとの経済的・政治的関係を1日でも断ち切るという見せかけの合意さえなかった。自国民からの圧力の前で茶番劇を演じたに過ぎない。

軍事物資輸送を阻止

 われわれはこの大惨事に終止符を打つことができる。抗議行動やデモ、集会を行なってきた数百万の人びとは、労働者階級、とりわけ中東におけるわれわれの力に期待している!

 米国の軍需産業L3ハリスの武器・弾薬工場の労働者は、イスラエルへの武器輸出を阻止するためにストライキを行った。トルコ、ギリシャ、イタリアの運輸労組は欧州の港湾、船舶、列車、空港を死の貿易センターにすることを許さないと宣言し、輸送機関で働くすべての労働者・労組に共同行動を呼びかけた。

 33か国に1億500万人の組合員を擁する世界労働組合連盟(WFTU)は、パレスチナ人民との国際連帯キャンペーンを宣言した。イタリアのジェノバでは、港湾労働者が「戦争はここから始まる」のスローガンを掲げて、イスラエルへの武器輸送を阻止した。ベルギーの運輸労組は、港湾や空港の組合員に対し、イスラエルへのベルギー製武器出荷を阻止するよう促した。

 スペインでは、バルセロナ港の港湾労働者が11月6日付の書簡で、イスラエルとその支援国向けの軍事機器の積み込みと出荷を拒否すると宣言した。スペインのすべての港湾労働者に国際的な運動を形成するよう呼びかけた。

 ギリシャの労働者は、「大虐殺を止めろ」「われわれは共犯者にならない」と、あらゆる形態のガザ侵攻の支援を停止するよう自国政府とEUに要求した。アメリカやデンマークなどいくつかの国では武器メーカーの前に集まり、イスラエルへの輸出を阻止した。

 イランでは政権が崩壊寸前まで追い込まれ、労働組合や活動家から多くの宣言や声明が出されている。

 これらは、この大量虐殺とそれを支持する西側政府に対して、労働者階級が実際にとった行動の氷山の一角にすぎない。

労働者の力 示そう

 われわれは、イスラエルとその西側同盟国の大虐殺に反対し、この地域の国家の偽善に反対し、パレスチナにおける爆撃と虐殺の即時停止を求めて、即時、強力かつ断固とした行動をとるよう強く要請する。

 ガザへの爆撃、包囲、水・電気・燃料・食料・医薬品の禁輸を即時停止し、パレスチナ占領を終わらせ、独立した国持つパレスチナ人民の権利実現に立ち上がるよう呼びかける。生産と社会における労働者の力を示すよう強く求める。

 イスラエル政府高官から欧米政府に至るまで、戦争犯罪人は間違いなく人道に対する罪で裁判にかけられるだろう。これは、欧米の多くの著名な弁護士たちがすでに求めていることだ。私たちは、世界の労働者階級の一員として、この蛮行に反対する実効性ある行動を集団的に起こすよう、あらためて強く要請する。

2023年11月18日
イラク労働者共産党/クルディスタン労働者共産党/イラン労働者共産党ヘクマト派

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