2023年12月15日 1801号

【二度と戦争の被害者にも加害者にもならない/命のバトンつなぎ戦争のない未来を/11・23沖縄県民平和大集会】

 1万人が参加した「県民平和大集会」(主催:沖縄を再び戦場にさせない県民の会)で報告された沖縄の島々、鹿児島・薩南諸島で軍事化にあらがう人びとの声を紹介する。

沖縄戦を忘れない

 琉球弧の島々は、78年前の沖縄戦の記憶を共有する。だからこそ、自ら住む島でのミサイル配備や軍事要塞化の動きに対し、生活の場から反対の取り組みが進む。

 「石垣市議会は今年、国民保護計画等有事に関する調査特別委員会を設置し、有事に住民の生命や財産が守られるのか、検証を進めています。国民保護計画の欺瞞(ぎまん)性を暴くことが、戦争回避に向けた第一歩になる」(内原英聡(うちはらひでとし)さん・石垣市議会議員)。「宮古島はすべての生活用水を地下水で賄う。戦争になればミサイルの撃ち合いで自然が壊され町も破壊され、地下水も汚染される。汚染が解消されるには400年必要。避難する心配より戦争を絶対にさせない」(福里猛(ふくざとたけし)さん・宮古島平和ネットワーク)




ミサイルと闘う沖縄島

 ミサイル配備は沖縄島でも進められている。

 「沖縄戦では『艦砲(かんぽう)ぬ喰(く)ぇー残(ぬく)さー 』と言われたが、もし『台湾有事』になったら、我々は『ミサイルの喰ぇー残さー 』になりかねない。命(ぬち)限(かじ)りがんばって、沖縄を戦場にするというこの流れを、みんなの力で食い止める」((照屋寛之(てるやひろゆき)さん・「ミサイル配備から命を守るうるま市民の会」共同代表)。「中部地域は爆音、PFAS(有機フッ素化合物)汚染、基地あるがゆえの事件・事故が受忍限度を超えている。地球上から戦争をなくしていくために、ともにがんばろう」(島袋恵祐(しまぶくけいすけ)さん・「自衛隊の弾薬庫等建設に反対する沖縄市民の会」共同代表)




公益は“基地反対”

 1997年住民投票で、名護市民が辺野古新基地NOの意思表示をして26年。民意は揺るがない。

 「今回の代執行訴訟、普天間基地の危険除去と日米の信頼関係が公益≠ニする国に対して、玉城デニー知事は、基地反対の民意こそが公益≠セと主張しました。26年間の辺野古新基地反対の闘いで、次の世代に残すべきものは、自然と平和の二つ以外にないことを確信してきた。命育む海を、森を、戦争のために使わせてはならない。命のバトンを、世代間のバトンを受け継ぎ、基地のない、戦争のない未来をともに創り出しましょう」(浦島悦子さん・ヘリ基地反対協議会)


同じ歴史歩む奄美なども

 沖縄の島々と同様な歴史を歩んできた薩南諸島からも、連帯の声が届く。

 「沖縄と奄美は戦後28度線から切り離されて、同じ運命を辿ってきました。奄美は復帰して今年が70周年。戦争はしない、させない、国を守る前に、私たちの命を守れと言いたい」(関誠之(せきまさゆき)さん・「奄美ブロック護憲平和フォーラム」議長)「馬毛島(まげしま)では、東洋最大の軍事訓練施設が作られようとしている。古(いにしえ)からの貴重な漁場と自然を破壊し、種子島を守らない施設。必要なのは、持続可能な暮らし、平和こそが暮らしの土台です。種子島からも平和を求める強い覚悟を沖縄のみなさんと共有します」(長野広美さん・「馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会」西之表市議会議員)

 (長野さんは司会が代読)


全世界と戦争を止める

 集会宣言はこう訴える。

 「本日の集会は、今後さらに拡大していく県民大運動、全国運動の序章でありスタートラインに立ったばかり。戦争の道を暴走する政府の動きを止めるために、思想信条を越え老若男女が手を取り合って団結すること。次は5万10万人の単位で県民総決起の大集会を開催して政府にそして全国に県民の決意を伝え、全国と全世界と団結して戦争を止める、私たちはその決意を内外に発信します」

 沖縄発の、世代を立場を超えた平和運動が、日本を、世界を変えていく。

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