2023年12月15日 1801号

【ZENKOスピーキングツアー京都集会/辺野古「代執行」を見すえ 「埋め立て承認再撤回」へ】

 12月4日開催の京都集会には、沖縄平和市民連絡会の北上田毅さんが来場し、辺野古新基地建設反対運動の今後の方針について講演。約50人の市民が足を運んだ。

 沖縄防衛局の変更申請を不承認とし、建設阻止の姿勢を貫く玉城デニー知事を政府は「代執行」訴訟で追い込んでいる。12月20日予定の判決は「承認命令」が出される可能性が高い。知事が不承認を貫いても、国土交通大臣が承認し、大浦湾の埋め立て工事は始まってしまう。その場合の闘い方として北上田さんは、2つの方法を示した。

 一つは、好き勝手に工事させないように、知事が厳しい留保条件を付けて承認することが考えられる。「実施設計においてB27地点でボーリングを行うこと」「沖縄南部地区からの土砂を埋め立てに使用しないこと」。これには、批判が起こるだろう。沖縄防衛局は、県の行政指導に41回も従わなかった。だから、「留意条件を遵守しない場合、承認を取り消すことがある」と明記し、歯止めにする。

 もう一つは「承認の再撤回」だ。翁長雄志知事(当時)が第三者委員会を設置し、「承認取り消し」を行った。知事亡き後、知事代行の謝花副知事(当時)が行政指導無視、無断変更を理由に「承認撤回」した。もう一度、第三者委員会を設置し、「事情の変更」を理由に再度撤回するよう県に働きかけているという。

 特に、政府の地震調査委員会が2022年3月に公表した長期評価は当初の「承認」時にはなかった事情だと北上田さんは強調した。他にも、軟弱地盤の存在を知りながら「確認されていない」と虚偽の回答をしていることなど「承認撤回」できる事情をあげた。

 その上で、工事を止める当面の闘いとして、埋め立てに必要な大量の海砂採取に総量規制を加えていくことなど県への要請を重ねている。最後に北上田さんは現地への結集と辺野古バス運行へのカンパを要請して、講演を終えた。

 会場からは沖縄写真展の取り組みが報告された。実行委員会で取り組んだJR長岡京駅前の市民ギャラリーでの展示。1日だけの開催ながら83人が来場。50人ぐらいは駅利用者と思われる。受験を終えた高校生が「戦争が身近になった。来てよかった」と長文の感想を残してくれた。

 京都南部の会は精華町役場ホールで開催。併設された図書館への来館者を期待した。これまでも近隣自治体の図書館での取り組みが好評だった。ここでも1日限りだったが、来場者は70人。精華町内にある陸上自衛隊祝園(ほうぞの)弾薬庫の強靭化計画を話題にした。

 11月23日の沖縄県民大集会に6人が参加したZENKO京都。参加者は「連帯を広げる運動が大切。戦争のない世界を作りたい」と決意を語った。

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