2023年12月22日 1802号

【沖縄辺野古埋め立て 代執行の強行許すな!/軟弱地盤は改良できない/大浦湾をジュゴン保護区に】

 12月20日、福岡高裁那覇支部で代執行判決が出ます。玉城沖縄県知事は「新基地建設ノー」の県民の意思をふまえ、地方自治を守りました。代執行強行を許さない世論を広げましょう。軟弱地盤が改良できなければ新基地建設はできません。

 12月1日、防衛省、環境省交渉を持ちました。参議院外交防衛委員会の伊波洋一議員、高良鉄美議員が参加しました。交渉冒頭に署名「ジュゴンの海とやんばるの森を守りたい!すべての工事中止を」を2459筆提出しました。次いで、11月29日、屋久島沖に墜落したオスプレイ事故について、国民の生活と安全を二の次にした対米追随的な木原防衛大臣の対応を厳しく批判しました。そして、引き続き「軟弱地盤改良の実現性を米国は了解しているのか」を追及しました。

 「(在沖米軍幹部が)軟弱地盤 軍事上影響の可能性の懸念示す」「普天間維持の考えも」(11/8沖縄タイムス)についての防衛省見解を質すと、単なる情報把握にとどまっていました。「在沖米軍幹部は軟弱地盤改良工事への不安から、普天間基地を維持したいのが本音だから、在沖米軍司令部に確認すること」を強く要求しました。すると、「軟弱地盤の改良については米国に説明している」としていた防衛省が、「地盤改良工事などの内容についても、米側に確認してきており、日米間の見解の相違はありません」と具体的な新たな回答を出しました。「設計変更申請について米国は了解しているのか」との追及に耐えきれなくなったからです。

 そこで、新たな防衛省回答について(1)「米国が軟弱地盤の改良の実現性を了解した」と理解してよいか(2)地盤改良についての米国の見解と資料を明らかにすること(3)在沖米軍幹部の発言の事実を直接確認することなどの再回答を求めました。

 環境省交渉では、HOPE SPOT(注)の大浦湾を海洋保護区にすることを求めました。昨年12月生物多様性条約締約国会議COP15で「2030年までに地球上の陸海の各30%を保護区に(30by30)」が決定され、日本政府は3月に生物多様性国家戦略を策定しました。

 すでに環境省は2014年3月に、辺野古大浦湾を「生物多様性の観点から重要度の高い海域」としています。また、同年11月には日本生態学会など19学会が合同で政府に「著しく高い生物多様性を擁する沖縄県大浦湾の環境保全を求める要望書」を提出しています。大浦湾を「30by30」の対象にする条件は揃っています。

 環境省は「大浦湾は重要な海域です」「今年度から既存の科学的な知見をふまえて、候補を抽出検討する」と回答しました。「大浦湾にジュゴン保護区を」の実現を展望して、代執行強行を阻止する世論を広げましょう。

(ジュゴン保護キャンペーンセンター共同代表・蜷川義章)

(注)米環境NGOが世界で最も重要な海域110か所以上を登録したもの

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