2023年12月22日 1802号

【議会を変える/滋賀県大津市議中川てつや/市民・利用者置き去りの児童館廃止は許さない】

 現在開会中の大津市議会に、市北部の児童館の廃止条例が提出されています。市内に7つある児童館のひとつですが、その既存建物を改修し耐震性が不十分な近隣の保育園を移転整備するというものです。

 児童館の利用者や地元地域の方から相談を受け6月から調査をして、私が初めて8月議会で取り上げ、今回の議会でも児童館存続の立場で質問と討論を続けています。

 2年前に市が廃止方針を決定し、自治会役員の同意は得たものの、同年11月の地元説明会では合意は得られないままでした。しかし、市は利用者へアンケートを行うことや節目での説明会を開催するとの約束を反故(ほご)にし、児童館に隣接する公園を廃止し園庭にする手続きを進めました。

 今年3月の大津市都市計画審議会の議事録によると、なんと「児童館廃止は地元も了承している」と報告し了解を取っていたのです。市は9月にやっと2回目の地元説明会を開催。約40人の発言者すべてが反対や見直しを求めましたが、市は決定済みとして譲らず利用者への説明要求にも「議会で児童館廃止の議決を得てから」との一点張り。

 この問題点は、市の施策について地元合意も利用者への説明もないまま進められ、市の説明責任がまったく果たされていないこと。廃止理由が保育園の移転再整備だけで、児童館施策の全市的な検討も全くないままで、国の「子どもの居場所としての児童館の拡充」方針にも反するものです。議会での私の追及に、市は「保育園の移転整備は合意を得ている」「他の児童館の利用を」などと全く的外れな答弁を繰り返しています。

 その中で、今回の議会に私の質問と呼応する形で、地元の方から地域の有権者の7割に及ぶ署名とともに「児童館存続を求める請願」が出され、私に真っ先に紹介議員の依頼に来られました。地元合意はないことが明確になり、市は児童館廃止の合意があるとは言えなくなりました。紹介議員は5人に。まさに議会内外をむすんだ形で、一人会派でも議会を動かす取り組みとなっています。今後も徹底して市民の立場に立つ議会活動を続けていきます。
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