2023年12月22日 1802号

【相次ぐ安倍派のスキャンダル/カネに汚いのは親分譲り】

 自民党安倍派の中枢幹部で、政治資金規正法に違反し裏金作りを行っていたとされる者は6人。松野博一官房長官、西村康稔経済産業相、萩生田光一・党政調会長、高木毅・党国会対策委員長、世耕弘成・党参院幹事長の「安倍派5人衆」と、座長を務める塩谷立・元文部科学相である。疑惑の5人衆は事実上の更迭に追い込まれた。

 この裏金疑惑をはじめ、安倍派や安倍晋三元首相絡みのスキャンダルが最近立て続けに浮上している。岸田文雄首相が自民党政調会長時代に統一教会関連団体のトップと会っていた問題では、当時の安倍首相の要請を受けての面会だったことが複数の政権関係者の証言で明らかになった。

 東京オリンピックの招致活動をめぐる買収疑惑もしかり。自民党の五輪招致推進本部長だった馳浩・石川県知事が、開催都市決定の投票権を持つ国際オリンピック委員会(IOC)委員に官房機密費を使って贈答品を渡したと漏らしてしまったのだ。当時彼は安倍派に所属しており、安倍首相から「必ず勝ち取れ」「カネはいくらでも出す。官房機密費もあるから」と指示されていたという。

 国民負担が膨らむ一方の大阪・関西万博にしても、改憲策動のパートナーと位置づける日本維新の会を援護するために安倍政権が招致したものである。このように、安倍晋三という政治家は国家を私物化しまくっていた。安倍派の面々がカネに汚く倫理観に欠けるのは親分譲りなのだろう。

 法律無視の常習犯である安倍を「国葬」にしたのは岸田政権の大きな誤りであった。旧ジャニーズ事務所の故ジャニー喜多川元社長は性加害行為の発覚を受けて数々の受賞歴を取り消された。岸田首相も「安倍国葬」の強行、国費の投入を謝罪すべきである。(O)
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