2023年12月29日 1803号

【原発賠償京都訴訟控訴審 「国の責任」とコールが高裁包囲 本人尋問終え最終局面へ】

 12月12日は原発賠償京都訴訟の控訴審第20回期日。この日、大阪高裁の向かい側にある公園に11時過ぎから三々五々人びとが集まり始めた。事前のアピール集会と裁判所一周パレードに参加するためだ。

 集会には、京都訴訟原告のほかにかながわ訴訟原告団長の村田弘(ひろむ)さん、支援全国ネットの岸本紘男さん、近くでは関西訴訟原告団長の森松明希子さんなども参加。集会では、11時過ぎに原告と支援スタッフで第2次公正判決署名(団体署名180団体、個人署名6932筆)を提出したことが報告された。署名は裁判が終わるまで続ける。

 12時に宣伝カーを先頭に、パレードに出発。その頃には参加者の数は100人ほどになっていた。原告が横断幕を持ち、支援者らが並んで、「原発事故は国の責任」「最高裁の不当判決覆そう」「「忖度(そんたく)判決お断り」「勇気を持って判断を」などとコールしながら、裁判所を一周。

 13時半に開廷した法廷では、最近の控訴審では異例といえる4人の原告の本人再尋問が行われた。

 家族と離れて会津で就職していた長女の避難の相当性が認められなかった原告と仙台市からの避難者で避難の相当性が認められなかった原告は、それぞれ避難した背景や理由を証言。3人目の原告は、避難後に夫がうつ病になったことや長女が大阪府北部地震で当時の出来事がフラッシュバックしてパニック状態になり、いまも通院していることなどを証言。4人目の原告は、避難後、自身が4つの大きな病気をしたことを証言した。

 最後に、裁判長から双方に「年内に審理終結に向けての考えを書面で提出を」との指示があった。次回期日(3月1日)で結審という宣言もなく、次々回の期日指定もなかった。この点について、川中宏弁護団長は報告集会で「3月結審の可能性も残っている」と発言した。京都訴訟の控訴審がいよいよ最終局面に入ったことは間違いない。

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