2024年02月09日 1808号

【東海第二原発の危険性を広めよう/自分事として 若い世代にも/千葉・市川から地域変革めざす】

 「東海第二原発いらない!市川の会」(市川の会)は、「東海第二原発いらない!首都圏ネットワーク」の一斉行動の呼び掛けに応え、「市川でも継続的にやろう」と、原発避難者千葉訴訟支援の運動を進めることも合わせて、2021年9月に起ち上げた。

 市川の会は、ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)千葉や反原発、反戦運動、原発避難者訴訟などの運動を行っている人たちと国会周辺や地域で出会い広がっていった。

 「原電(日本原子力発電)前や子ども甲状腺がん裁判の際などで配布したチラシを見て、近くだから参加します≠ニいった感じで集まりが大きくなった」とメンバーの一人は語る。地道な活動が人を引き付けた。

毎月の駅頭署名活動

 2022年2月から毎月、千葉県のJR本八幡駅前や市川駅前で東海第二原発の廃炉を求める署名活動などを行っている。1月21日に市川駅で行われた街宣活動には20人が参加した。

 東海第二原発は東京駅から116qの茨城県東海村にある。巨大地震によってこの老朽原発に事故が発生すれば、市川市周辺が放射能で汚染されるのは確実だが、国は2024年9月の再稼働を計画している。

 「近い・古い・逃げられない」「耐震性はめちゃ低い」「防潮堤工事に重大な不備」などを示したリーフレットやチラシ、バナーでアピール。小雨がちらつく中、「地域の課題として、自分事として、捉えてほしい」と道行く市民に訴える。

 「能登半島地震があったので、今日はいつもより感触がいい。向こうから署名を求めてくる。『志賀原発はこわい、止まっていてよかった』と言われた」と市川の会のメンバーは、風向きが変わった様子を感じた。小学生の2人組に丁寧に説明する場面や高校生からの一筆もあった。「子ども甲状腺がん問題については、若い人は興味をもってくれる。同世代の人が被害をうけているからだ」、と若い世代へのアピールも欠かせない。

 一方で、「まだまだ市民の危機意識は低い」と思う意見も挙がった。 

 「チラシは受け取ってくれる。原発はだめという人は多いが、東海第二原発を知らない人もいる。だから配布チラシに近い≠強調する」。と無関心な市民≠動かすことをめざす活動は今後も続く。

知らない市民に届ける

 そして、福井県大飯(おおい)原発の運転停止命令を下した樋口英明・福井地裁元裁判長のドキュメンタリ―映画『原発を止めた裁判長』の自主上映会が3月3日に開催される。

 その日の街宣では東海第二原発以外の課題も訴えた。放射能汚染水の海洋投棄中止、原発避難裁判千葉訴訟での国の責任を認めない不当判決への抗議などだ。

 終了後には、有志で「ガザ地区への攻撃やめて!即時停戦」を求めるスタンディングを行い、「フリーフリーパレスナチ」「子どもを守れ」「虐殺やめろ」と参加者一同でコール。2月4日にも、同様の行動を展開する。

 メンバーは様々な団体に所属しつつ、市川の会にはあくまで個人で結集している。「定期的に反原発の行動を行っている団体は周辺でうちだけ」と市川の会の結束は固い。





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