2024年02月09日 1808号

【議会を変える大阪府茨木市議山本よし子/PFASの危険性を問う】

 全国的に毒性の強いPFAS(有機フッ素化合物)汚染が問題になっています。基地が発生源である沖縄県や東京都だけでなく、全国で地下水や河川から基準値を上回るPFASが検出されています。

 茨木市に隣接する摂津市にはダイキン工業の工場があり、現在は製造を中止していますが、何十年もの間PFOA(PFASの一種)を製造していました。その影響で周辺の地下水や河川、土壌が汚染されているとみられています。

 原田浩二京大准教授の調査では、「ダイキン工業に隣接する家庭菜園でとれた野菜を調べたところナスからは1`あたり317ナノc、ジャガイモからは同124ナノcが検出されました。また、野菜を食べている住民の血中濃度もかなり高い値でした」(『女性自身』2月6日号)という衝撃的な報告が出ています。

 茨木市では、4か所の井戸水から基準値以上のPFASが検出されています。議会での市の答弁では、茨木の井戸水はダイキン工業とは位置的に関係はなく、発生源は不明、井戸水は飲料や野菜への散水には使わないように指示しているとのことでした。しかし、地下水や土壌への汚染の広がりは調査できていません。

 そこで、憲法いかそう茨木市民の会のメンバーが独自で茨木の水道局への聞き取りを行い、市民が使っている上水道は安全なのかを聞きました。市は「国の暫定基準50ナノc/gなので心配することはない」とのこと。しかし数値の高い河川もあり、引き続き調査を行うよう要請しています。

 その取り組みを踏まえ、私は、12月議会の建設常任委員会でPFAS問題を取り上げ、市内井戸水の汚染の発生源を徹底して調査することを要請しました。また茨木市のホームページの変更を求めました。ホームページには「基準以下なので健康に影響はない」と書かれていたのです。しかし、世界保健機関(WHO)はPFOAに発がん性の危険性があることを認めていること、世界的に暫定基準の見直しが始まっていることも明記してほしいと述べました。現在、ホームページは書き換えられましたが、住民の血液検査やフィルターの設置などの対策を要望していきます。

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