2024年02月16日 1809号

【松田さんコロナ在宅勤務不払い裁判控訴審/当初から出勤を命じるべきだった?!/高裁不当判決に上告】

 昨年5月、コロナ在宅勤務不払い裁判(注)一審判決は、欠勤扱い8日のうち3日分の給与と自宅での承認研修を認めなかった違法による慰謝料5万円、計9万4262円を大阪市が原告(私)に支払えというものでした。1月24日、大阪高裁判決で三木素子裁判長は「原判決の支払額を4万4262円に変更する」と言いました。違法判断を取り消し、慰謝料分5万円を支払額から削ったわけです。

 怒りが湧いてきました。「原告が行なったのは在宅勤務であり、研修とは認められないので、承認しなかったことに違法性はない」、コロナ感染症事情を検討しても「原告に自宅待機や在宅勤務をさせるべき状況であったとまでは認められない」としたのです。要するに、校長は初めから出勤を命じるべきだった≠ニいう判決なのです。

コロナ対策無視を擁護

 問題は、20年当時政府専門家会議が「ヨーロッパからの(新型コロナ)移入が疑われる事例が3月10日以降増加…欧州等からの帰国者への2週間の待機要請」を厚生労働省に申し入れた当日(3/17)にスイスから帰国した私が通常通り出勤していいのか、でした。

 大阪市(教育委員会)が在宅勤務の検討もせず、PCR検査も受けさせない態度をとったために、学校段階で実施しようとしたのが自宅研修扱い≠ナの在宅勤務でした。それを頭から否定し、「発熱がなければ出勤が当然」とコロナ対策の基本も無視した主張を行なう大阪市を擁護する判決は許せません。

 2月2日、上告手続きに入りました。当時、出勤という選択はあり得ませんでした。私の人権を守るために、また、維新大阪市政の誤りを正すために、闘いを続けます。引き続きご支援をお願いします。

(原告・教職員なかまユニオン 松田幹雄)
 
(注)大阪市教員だった松田さんは2020年3月、ILO・ユネスコ合同専門家委員会に文部科学省―大阪市・府の教育支配の不当性を訴える要請団で訪欧。帰国後、コロナ感染拡大防止のため当初は認めた在宅勤務を欠勤扱いし賃金カットしたことを不当と提訴したもの。



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