2024年03月01日 1811号

【イラク、シリア、イエメンを米軍が空爆/「ガザ」を口実に覇権争い 糾弾/イラク労働者共産党(WCPI)の声明】

 アメリカ軍は2024年2月2日夜、ヨルダンのブルジュ22基地で米兵3人が殺害されたことへの報復として、シリア、イラク、イエメンの民兵本部を空爆する軍事作戦を発表した。

 アメリカ軍によるこの軍事作戦は、ガザ住民に対するイスラエル戦争の影響の一つであり、この戦争に関わる地域的・国際的勢力が、この戦争が終わった後の自分たちの立場を確保しようとしているのだ。

 この攻撃には、明確で具体的な軍事的・政治的目的はない。「テロを根絶する」ことも、文字通りの戦争も目的としていない。なぜなら、意図しない結果を伴う冒険をすることはできないからであり、とりわけバイデン政権は2、3か月のうちに大統領選挙にのぞむからである。これはアメリカの面子を保つための行為以外の何ものでもない。超大国アメリカは沈黙せず、対抗することを世界に伝えるためであり、それ以上のものではない。

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 また、フーシ派やヒズボラを含む他の勢力も、この攻撃で地域のパワーバランスを変えようとしているのではなく、むしろ、世界的にも中東においても大国が権力、富、支配権を取り合ううえで、自分たちを頼りにさせることで、自らの分け前と位置を探ろうとしているのである。

 イラン・イスラム共和国に所属するギャングや民兵が行なっていることは、パレスチナの大義を擁護するという名目で米軍基地を攻撃し、海上航行を攻撃することで、この地域に混乱を広げ、大衆の安全と安心を妨害することなのだ。これらの民兵、その背後にいるイラン・イスラム共和国は、「ガザの人びとを守る」という旗印の背後に政治的意図を隠している。略奪、汚職、政敵の粛清を永続させるために自分たちの権力を強化することであり、この地域の民衆の可能性を覆い隠し経済的・政治的覇権の達成を確実なものにしようとしているのだ。

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 イラク労働者共産党は、アメリカ合衆国の横暴、軍事力の誇示、その軍事作戦を最も強い言葉で非難する。米国は、同盟国イスラエルが子どもや女性たちを含む2万6千人以上を殺害した時期に、3人の兵士への復讐という理由で犯罪を正当化する。そのことが、傲慢さと政治的偽善を明らかにしている。250万人近い人びとが老いも若きも、飢え、寒さ、病気という大惨事にさらされ、明日をも知れぬ運命に置かれているのである。

 党はまた、米軍やイランなどに忠誠を誓う犯罪的民兵がこの地域に存在することを踏まえれば、この地域の安全と安定を語ることは不可能であると強調する。これらの勢力はすべて、即時かつ無条件に排除されなければならない。

 2024年2月8日
 イラク労働者共産党
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