2024年03月08日 1812号
【一人からでも非正規春闘を!関西の集い/非正規2人のストから5千人賃上げ/2024春闘へ希望が湧く】
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2月23日、大阪市内で「一人からでも非正規春闘を!関西の集い」(主催―同実行委員会(なかまユニオン・連帯労組関西ゼネラル支部・北大阪ユニオン)、後援―大阪労働者弁護団)が約50人の参加で開かれ、関西における「非正規春闘」の歩みが始まった。
主催者を代表した連帯労組関西ゼネラル支部の大橋直人副委員長のあいさつに、期待と決意がこもる。
「関西のコミュニティユニオンは、どうしても駆け込み相談が中心で、職場に残って労働条件を改善していくことは、なかなか取り組めなかった。2023年の『非正規春闘』のような闘いをやりたい。労働組合として本当に労働条件を改善していくために、今年から『非正規春闘』の取り組みを始め、来年へと発展させていこう」
注目集めたストライキ
東京から来阪した総合サポートユニオンの青木耕太郎共同代表が講演し、「非正規春闘』の起こりから成果と今後への展望を語った。
「23年の『非正規春闘』においては、少人数の組合員で、ABCマート(5000人の6%賃上げ)やスシロー(東京店舗で時給200円の賃上げ)など、大きな賃上げを勝ち取った。昨年、個人加盟ユニオン16労組の組合員300人で始まった運動は、今年は個人加盟ユニオン20労組と生協労連も参加し、組合員3万人、交渉先企業の在籍労働者30万人に影響を与える運動へと発展した」
青木さんは「成果を生み出した要因は、社会的注目を集めた統一行動とストライキにある」と強調。ABCマートの春闘では、終業前15分の2回のストライキを、マスコミ報道やSNSで大宣伝して社会的注目を集め、大衆が見守る状況をつくり出す中で、会社の譲歩を引き出した。(「23・24年の取り組み」別掲)
社会を変える闘い
なかまユニオンの執行委員からは「非正規労働者が就労者の4割を占めている。一斉にストライキをしたら、社会は変えられる」との元気な発言も飛び出した。
行動提起として、▽非正規ホットライン(2/25、3/3)▽スト予告を含めた共通の団体交渉要求書の提出▽春闘デモ(3/24)を確認。
なかまユニオンの井手窪啓一執行委員長は「外食チェーンなか卯で“10年働いても、最低賃金のスライド上昇以外には10円しか上がっていない”という労働者がいる。全国の『非正規春闘』の闘いと共闘して、ぜひ賃上げを実現したい」と力強く決意を語った。
職場の支持、社会的支持で賃上げは実現できる/非正規春闘2023・2024(青木さん報告要旨抜粋)
非正規春闘実行委員会は、「もう生活が苦しい」という組合員からの声に応え、コロナ問題に取り組んできた東京の4つの個人加盟のユニオンが呼びかけて結成。特色は、東ゼン労組が連合、首都圏青年ユニオンが全労連、東京東部労組が全労協、総合サポートユニオンが非加盟と、ナショナルセンターの系列を超えて呼びかけられたことだ。
非正規雇用の賃上げだったら、そういう枠も全部超えてみんなで取り組もう、という趣旨もあり、札幌、仙台、新潟、名古屋、大阪、福岡など、各地の個人加盟労組が参加してくれた。
賃上げが実現できたのは、職場で支持され、社会的に要求が支持されるような状況をつくったことが大きい。
非正規春闘の交渉力(要求の根拠)は▽生活費調査を活用した「生活給」としての賃上げ▽能力・責任・経験などに応じた「仕事給」としての賃上げ▽地域相場を意識した賃上げ▽同一労働同一賃金(均等待遇)を根拠とした賃上げ▽不利益変更や準備時間の不払い・分単位の時間給切り捨てなどの是正を求める要求▽会社の儲けを分析した要求―にある。
鍵は、統一行動とストライキによって社会的注目を集めること。そのためには、記者会見やネット記事の配信を見据えたコピーづくり、SNS発信などに全力を尽くす必要がある。
関西でも取り組んでくれたら、来年はさらに大きな成果が得られる。
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