2024年03月08日 1812号

【未来への責任(393)/激戦地土砂埋め立てに使うな】

 沖縄激戦地土砂埋め立て使用阻止!2・6緊急防衛省交渉は、参加150名、立ち見になるほどの満員で防衛省に激戦地土砂を基地建設に使用するなと迫った。2時間の交渉予定が1時間も延びる白熱した交渉となった。

 今までと違ったことがいくつかある。今回、遺族が中心に座ったうえで、さらに5団体に協賛団体になってもらった。いままでガマフヤー(沖縄戦遺骨収集ボランティア)の具志堅隆松さんが東京で共同の取り組みをしてきた5団体でZENKOにも参加いただいた。まずは、2回の全国会議員へのチラシポスティングを、ご遺族とともに担ってもらった。

 そのおかげで、防衛省と対面する国会議員は10人、参加事務所は20を超えた。会場は各団体が持ち寄った横断幕が並びすごい迫力。中でも市民が自発的に取り組んだ「戦没者の遺骨を新基地建設の埋め立てに使うな!」の署名が6万4千筆を超えて集まり、赤い大きな署名のバナーがどんと中心に貼りだされた。ご遺族も沖縄や全国各地から参加され、一人一人が自分の言葉で防衛省に思いをぶつけた。

 更に今回の大きな特徴は土木技術者の北上田毅さんに参加いただき防衛省の工事に伴う弱点を暴露したことだ。防衛省の変更申請書において、公有水面埋立法施行規則第3条では、埋立願書に「埋立てに用いる土砂等の採取場所及び採取量を記載した図書」を添付するとされており、その「記載要領」として、「山土 ○○市○○町○○地区」等とされているのに予定地しか書いていない。南部の白石は硬度が弱く辺野古基地建設には使えない。今まで黒石しか認められていなかった。海上ヤード石材投下の仮設工事で白塵が舞い上がり洗浄が十分でない。海上ヤードの工事は決して仮設工事などというものではなく2年以上にわたる工事であり、環境汚染の観点からも事前協議が必要だ―なども指摘された。防衛省は答えられない姿をさらし、東京新聞や毎日新聞はこのやり取りを詳細に報道した。

 一方、SNSではチューズライフプロジェクトがご遺族や県人会の防衛省への怒りの発言をスポットの動画で幾種類も伝え、どれも大きく拡散された。多くの人から何が問題なのか交渉でよくわかったとの声が寄せられている。多くの国会議員、マスコミを前に本土で防衛省の弱さを暴露した意味は大きい。

 強制代執行で落ち込んでいる場合ではない。闘って展望を切り開くしかないのだ。

(戦没者遺骨を家族のもとへ連絡会 上田慶司)

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