2024年03月22日 1814号

【3・8女性デーのつどい/ジェノサイドを止める/あらゆる人権侵害に立ち向かう OPEN/平和と平等を拓く女たちの絆】

 3月8日、国際女性デーのつどいは韓国の労働運動で歌われてきた『岩のように』の合唱で始まりました。

 基調報告では、まず、命の危機と女性であることでの抑圧の中に置かれているパレスチナ女性に思いをはせ、世界の人々とともにイスラエルのジェノサイドをやめさせる行動への参加を呼びかけました。

 日本のジェンダーギャップ指数は世界125位。人権後進国である日本で取り組むべき課題として、▽国内人権機関の設置(すでに120か国で設置)▽包括的差別禁止法▽女性差別撤廃条約の実効性を担保するための選択議定書(個人通報制度)の批准、の3つが提案されました。

 講演「2016年国連でのマイノリティ女性へのヘイトスピーチに抗する〜在日コリアンの立場から〜」では、「交差性・複合差別」の言葉を知りました。「在日コリアンであることによる差別」と「女性であることによる差別」が掛け算のように複雑に絡み合っている状況を表現する言葉です。

 16年に杉田水脈氏(現自民党国会議員)は、ジュネーブの女性差別撤廃委員会参加者に対して「コスプレおばさん達」「人間としての品格を疑う」などヘイトスピーチをブログに書きつらね、拡散しました。

 ヘイトスピーチ解消法が制定されましたが、その後もヘイトスピーチはなくならず、特に声をあげる女性の在日コリアンがターゲットになっています。

 在日コリアンの実態調査をマスコミが取り上げた際に浴びせられたヘイトスピーチ。ここで当事者が声をあげなければ、ヘイトスピーチしても大丈夫、というメッセージになりかねないと、23年2月、大阪法務局に16年の杉田議員のヘイトスピーチによる人権侵犯を申し立て、議員の直接謝罪を求めました。アイヌの女性も札幌法務局に同様の申し立て。両法務局は一部を人権侵害と認めたものの、不十分でした。ヘイトスピーチとは認定せず、杉田議員には「措置猶予」で「啓発」のみでした。

 この経験から、国内人権機関設置の必要性を実感されたとのこと。マイノリティが手を取り合って声をあげ、安心して語り合える場を作り出したいと、講演を締めくくりました。

 杉田議員の言葉は人権のために奮闘するすべての人に向けられているといえます。人権侵害に対してともに立ち向かわなくては、という思いを新たにしました。

 つどいは、さらに活動報告やアピールと続き、足元からそれぞれの一歩を踏み出そうと誓い合い、元気の出る場になりました。

(OPEN〈平和と平等を拓く女たちの絆〉 高島ふさ子)

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