2024年03月22日 1814号
【3・11フクシマ13年/被害者の人権守れ/全原発廃炉だ】
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事故汚染水 宝の海に投棄やめろ 二重の加害は許さない 差し止め訴訟 口頭弁論開始
3・11福島原発事故から13年となる今、意図的に放射能汚染を拡散する暴挙が続いている。原発事故汚染水の海洋投棄を強行する国と東京電力に対し、福島県内外の市民や漁業関係者など363人が差し止めを求めた裁判。第1回口頭弁論が3月4日、福島地裁で開かれ、地裁前行動と報告集会には原告をはじめ市民200人が集った。
法廷では4人の原告が意見陳述。そろって口にしたのが「県民に何の説明もない」「漁業者との約束を破った」ことへの強い怒りだ。
福島県新地町の漁業者・小野春雄さんは「私たちがめぐみを得る『宝の海』は未来へひきつがれるべきもの。海洋投棄に大義はなく、相馬双葉漁業組合員の全員が反対した。私たちが求めているのは、海を汚さず、放射能汚染に悩まされず、子々孫々漁業を続けることだ」。「これ以上海を汚すな!市民会議」共同代表の織田千代さんは「海洋投棄は意図的に放射能拡散を続けること。今すぐやめてほしい」。陳述中、織田さんは被告人席をにらみつけた。その怒りは福島県民すべてを代表するものだ。
いわき市の千葉由美さんは「何をすれば私たちの声が届くのか。子どもたちの未来のために海洋投棄をやめてとの心からの声、思いを託す」と訴えた。
原告側は、事故に加え汚染水投棄を故意に行うという二重の加害≠糾(ただ)す。海渡雄一弁護士は「汚染を排出する権利など誰にもなく、当たり前のことを明らかにする裁判」と強調した。
支援者として駆けつけた俳優の斉藤とも子さんは「陳述を聞いていて涙が出た。原告は何も悪くない」と激励した。
北海道から駆けつけ傍聴した原告、地脇聖孝さんは「東電側の弁護士は陳述中に寝るなど態度も最悪。犯罪企業の象徴で、原告のみならず人類全体を舐めきった態度だ。だが福島県民は許せないものは許せないという思いを内に秘めてきた。この思いを胸に必ず彼らに責任を取らせる」と語る。
第2回弁論は6月13日。
広がる子ども甲状腺がん裁判支援/最高裁包囲呼びかける新橋駅前行動も
311子ども甲状腺がん裁判の第9回口頭弁論が3月6日、東京地裁で開かれ、傍聴券を求めて199人が並んだ。原告7人の若者に応えた愛知の大学生5人の参加など、若者が表に立って運営しているのが特徴だ。
報告集会で井戸謙一弁護団長は「今回からは個別の立証に入った。被ばく量の過小評価や過剰診断論など総論ではおおむね決着がついたとみている」と、東京電力を着々と追い込んでいる現状を報告した。
子どもたちを支えてきた「あじさいの会」の牛山元美医師は「311以降私は子どもたちと一緒に生きてきた感じ。東電は350人を超えるがん患者の事実に謙虚に向き合うべきだ。裁判は真実に近づく一歩になると思う」とエールを送る。福島原発かながわ訴訟・村田弘原告団長は「司法の劣化が進んでいる。この状況を何とか変えたいと、市民運動が力を合わせて6月17日に最高裁包囲行動に取り組む。ぜひご参加を」と連帯を訴えた。
夕方からは、新橋駅SL広場前で全国被害者訴訟支援ネットワークなどが呼びかける“国の責任を求める”アピール行動が行われた。今回は、石川県珠洲(すず)原発建設を止め原発大事故を防いだ現地の市民運動への連帯カンパ活動も行われた。応援にかけつけた「月桃の花」歌舞団がエイサーを披露。スマホで撮影する人、指笛で盛り上げてくれる人など、行動は注目された。歌舞団の男性は「多くの人が行き交い、やりがいがあった」と語った。
東電刑事裁判最高裁行動
「東電と癒着関係にある草野耕一判事は刑事裁判の審理から身を引け」「東電旧経営陣3人を無罪とした東京高裁判決を破棄せよ」―福島原発刑事訴訟支援団が署名提出行動。(3月8日 最高裁正門前)
東京では経済産業省前や首相官邸前、東京電力本店前、日本原子力発電本店前に市民が集い、「フクシマは終わっていない」「地震の国に原発いらない」「東海第二再稼働反対」と声を上げた。(3月11日 東電本店前に掲げられた大横断幕)
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