2024年03月29日 1815号

【各地でMDS集会】

 前号に続き、3月9、10日に千葉、東京・北区で、パレスチナ・ウクライナ即時停戦、岸田政権打倒に向け開かれたMDS集会を紹介する。

避難計画は崩壊した 東海第2原発動かすな/千葉

 MDS千葉地域集会が3月9日、開催された。

 東海第2原発差し止め訴訟の映像を題材に、どう取り組んでいくか議論した。

 2021年3月、水戸地裁は「避難計画ができておらず再稼働できない」との判決を出した。その控訴審が2月20日あった。

 能登地震を見れば、原発事故の避難計画の崩壊は明らかだ。道路の寸断で集落から脱出できない。救出にも向かえない。事故を起こした原発にもすぐには行けない。被ばく防護では、30km以内は基本、屋内退避となっている。しかし、住宅が全半壊していては被ばくは回避できない。現状の計画では、地震と原発事故の同時発生はないことになっている。

 放射能のモニタリングポストも使えなかった。最大4mもの隆起が起きた。東海第2は新基準適合だが、5cm以下の隆起しか想定されていない。

 原子力規制委員会は規制基準を抜本的に見直すべきだ。日本は、どこで巨大地震が発生しても不思議でない。能登は巨大地震の発生はないとされた所だった。

 日本原電は9月再稼働を狙う。だが、昨年10月には防潮堤工事の欠陥が暴露された。「東海第二原発いらない!市川行動」は月1回の駅頭アピールを続けてきたが、一層強めようと声が上がった。

   (千葉・山口兼男)


「平和」 「福祉」「 生活」で交流/陸自行進訓練に抗議行動 東京・北部

 3月10日、東京北部集会の基調報告では、全国の自衛隊基地に130の弾薬庫を作り、北区の陸上自衛隊十条駐屯地に核シェルターを作る「基地強靭化」予算が2024年度予算案に入っている危険性を指摘。

 その後、「平和」「福祉」「生活」の3グループに分かれ話し合った。

 「平和」では、翌3月11日、陸自練馬駐屯地から練馬、板橋、北、足立、荒川、葛飾の市街地を通り迷彩服姿で白昼堂々と行われる行進訓練への抗議行動が提起された。練馬・朝霞(あさか)駐屯地間の小隊形式の行軍訓練や兵員輸送トラックの走行が日常化している。草の根の日常的な反戦運動の重要性を確認しあった。

 「福祉」では、障害者施設の「人手が足りず離職が絶えない。低賃金でミーティングもなく分断され、夜勤もありきつい」と実態が出された。保育・介護職場からも「離職者が出ても補充されず疲弊。時給は千円少し。最低賃金と変わらない」と厳しい実態が語られ、交流し全体の搾取状況をつかむ大切さを共有した。

 「生活」では、物価高騰で苦しい生活が訴えられた。「電気代が上がり、電気を消し毛布にくるまり自衛している」「子ども食堂に大人がたくさん来てやめざるを得なくなった」との発言も。貧困問題に真正面から向き合わない小池東京都知事への抗議が呼びかけられた。


パレスチナ問題で学習会/生存権守れ、占領反対/大阪・寝屋川

 2月25日、寝屋川市で“パレスチナのこども・女性の生存権を守れ!直ちに停戦を!”と題して学習会を開きました。

 講師には、イラクやパレスチナへ取材に行った、週刊MDS編集部の豊田護記者に来てもらいました。

 まずびっくりしたのは、かつて豊田さんがパレスチナを訪問した2002年の時の写真と、現在の写真との違いでした。

 イスラエルの侵攻によって、ガザの人たちの命だけでなく、人間として生活していた痕跡さえ消されてしまっている今の状況には、声さえも出ないというのが正直な感想です。

 また、イスラエル「建国」から今日に至る歴史的経過も説明していただき、映像も含めて非常にわかりやすいお話でした。

 質問や意見もたくさん出て、いかに多くの人が「何とかしなければ」と痛切に感じているかがよくわかりました。

 参加者からは「ジェノサイドに加担している日本企業の責任を問うことが、今私たちがやるべきことだ」との声も上がりました。

(イラク・アフガンの女性を支援する会 山口一郎)
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