2024年04月05日 1816号

【みるよむ(690)/2024年3月23日配信/イラクの公休日の茶番/宗教支配の手だてに】

 イラクでは、イスラム教の祝日が多く休日にされてきた。2024年1月、サナテレビは、意図的に作られた休日の実態を取り上げ、問題点を明らかにした。

 現在のイラク政府、議会は、イスラム教シーア派勢力の影響力が強く、市民の日常生活に様々な形で宗教の押し付けが行われている。

 今回の映像では、「イラクの閣僚評議会が9月27日をムハンマド生誕の祝日と決定した」と発表する場面が出てくる。宗教指導者の誕生日がそのまま「国民の祝日」にされているのだ。

 レポーターが「イラクでは、すべての宗教的行事は公休日です」とあきれたように報告する。公式・非公式を問わず、休日数は年間140日に及び、そのことが「公共生活、特に市民への行政サービスの提供や教育を麻痺させ、経済的損害を与えている」と言う。サナテレビによれば、経済的損失の総額は8兆4480ディナール(約1兆140億円)にのぼる。

 生産現場では、本来の当たり前の労働効率が下がり続けている。管理職が自ら実践するイスラム教の祈りは、公式の労働時間のうち2時間も占めているのだ。

シーア派行事は公休日

 レポーターによると、イラク議会の定める公休日は週末(金、土曜日)を除いて110日を超えている。「シーア派はイマームの生誕、死去、アルバイーン(命日から40日後の喪明けに行われる宗教行事)など最も多くの祝日を祝う」との教条に合わせて公休日が設定される。イラクには、イスラム教徒以外にキリスト教徒、ヤジディ教徒などもいるが、少数派の存在など何ら考慮されない。

 このようにイスラム教の行事や祝日を次々と公休日にしているのは、イラク政府がイスラム教を利用した市民支配を強めるためだ。サナテレビはこうした実態を明らかにし、宗教支配の不当性を訴えている。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)

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