2024年04月12日 1817号

【1817号主張/ガザ虐殺支える勢力に亀裂/命を救え ただちに停戦だ】

安保理で初の停戦決議

 イスラエルのネタニヤフ政権はガザ虐殺を続けるが、国際的孤立を深めている。即時停戦を求める国際世論の前に3月25日、国連安全保障理事会は昨年10月の戦闘激化∴ネ降初の停戦決議を採択。ラマダン(断食月)期間中の即時停戦、人質全員の無条件解放、人道支援の拡大などを求めた。

 米国バイデン政権は原案の「恒久的停戦」を「永続的・持続可能な停戦」に修正させるなど後退させたが、停戦を求める決議に今回は拒否権を行使できなかった。米国連大使は「拘束力はない」と強調し意義を低めようとする。だが、そんな勝手な言い分は通用しない。イスラエルも米国も停戦決議に従わなければならない。

 ネタニヤフ政権がバイデン政権に対し「これまでの政策の放棄」と猛反発したのも、決議が大きな打撃を与えたことを裏付ける。

侵攻への批判強まる

 バイデン大統領は、ネタニヤフ首相がイスラエルを「傷つけている」と指摘し、最南部ラファへの侵攻は「越えてはならない一線だ」と表明せざるをえない。

 背景に市民の世論と運動の力がある。米ギャラップ社の調査(3/1〜3/20)では、イスラエルの軍事作戦を「支持しない」が55%で「支持する」の36%を上回った。DSA(アメリカ民主主義的社会主義者)などは、恒久的停戦と軍事支援の終結を求め、米大統領選の民主党予備選で投票用紙に「バイデン」ではなく「未決定」や「無記名(白紙)」で投票することを呼びかけ、大統領に圧力をかけている。さらに、カナダ政府もイスラエルへの武器輸出を無期限停止した。

 イスラエルの攻撃を支える米欧各国政府こぞってのサポートが崩れつつある。

運動強め加担止めよう

 日本政府も例外ではない。安保理の停戦決議を共同提案し、UNRWA(アンルワ/国連パレスチナ難民救済事業機関)への資金拠出再開を表明する(4/2)など、イスラエルと米国支持一辺倒の変更を余儀なくされている。日本の市民運動は伊藤忠商事にイスラエル軍事企業との協力覚書を終了させた。さらに闘いを強めれば、虐殺加担を止めることは可能だ。

 3月30日パレスチナ「土地の日」世界同時アクションでは、新宿駅を取り囲む3千人のスタンディングなど日本全国に行動が広がった。ロンドン20万人デモをはじめ即時停戦を求めて全世界で市民が立ち上がった。国連人権理事会特別報告者はジェノサイドを批判し武器禁輸等を勧告(3/25)、国際司法裁判所はイスラエルに対し援助物資を流入させるよう命じた(3/28)。

 この国際的動きと連携し、BDS(ボイコット・投資撤退・制裁)運動を強化し、政府にイスラエルとの諸協定を破棄させよう。命を救うため、即時停戦、解放を勝ち取ろう。

(4月2日)
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