2024年04月26日 1819号

【1819号主張/軍事一体化進めた日米首脳会談/国際連帯で戦争を止める】

戦争のための首脳会談

 4月10日、訪米した岸田首相とバイデン米大統領は首脳会談を行い、共同声明「未来のためのグローバル・パートナー」を発表した。

 共同声明は「日米同盟は前例のない高みに到達した」と宣言。「作戦及び能力のシームレスな統合を可能にし、平時及び有事における自衛隊と米軍との間の相互運用性及び計画策定の強化を可能にするため、二国間でそれぞれの指揮・統制の枠組みを向上させる」と明記した。自衛隊は今年度中に部隊を一元的に運用する「統合作戦司令部」を新設する。「シームレスな統合」とは、米軍と自衛隊の一体的運用を目指すものだ。

 共同声明は多国間軍事協力に踏み込む。米英豪の軍事協力枠組みAUKUS(オーカス)への日本の協力、日米韓、日米英の共同訓練を明記した。11日の日米比首脳会談では、米軍・フィリピン軍と自衛隊の共同訓練も打ち出した。岸田政権は、いわばアジア版NATO(北大西洋条約機構)をめざし、米国と共にグローバルな戦争に踏み出そうとしている。

進む戦争国家体制作り

 首脳会談に向け、政府は、3月26日の国家安全保障会議で「防衛装備移転三原則」の運用指針を改定し、英伊両国と国際共同開発中の次期戦闘機の第三国への輸出を解禁した。4月1日には「特定利用空港・港湾」として、北海道・四国・九州・沖縄の5空港11港湾を指定。戦闘機や護衛艦も使えるように滑走路の延伸・強化や岸壁の整備、海底の掘り下げを行う。

 さらに9日、安全保障に関わる経済情報を「重要経済安保情報」に指定し、その情報に接触できる人間のプライバシーを調査する経済秘密保護法案をわずか25時間の審議で衆院通過させた。日米共同声明にはミサイルの共同開発・生産、米軍艦船や航空機の日本の民間施設での整備も盛り込んだ。

 急速に進む戦争国家体制作りを許してはならない。

沖縄・パレスチナ連帯で

 岸田首相は米議会両院合同会議で「米国は一人ではない。日本は共にある」と呼びかけた。ガザ虐殺のイスラエルを軍事支援し孤立を深める米国を全面的に支えると明言したのだ。

 命・くらしを脅かす急速な軍事化には反対の声が広がる。沖縄では、うるま市への陸上自衛隊新訓練場整備計画に対し、市民の闘いが予定地取得を断念に追い込んだ。辺野古新基地建設NOの現地県民大集会(4/14)に1800人が結集し、琉球弧の島々の闘いも続く。

 沖縄に連帯し、ガザの虐殺を止める闘いは平和への緊急の課題だ。ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)は4月29日、パレスチナ・韓国・沖縄連帯のオンラインパネルディスカッションを開く。国際連帯を強め、いま行動し、岸田政権の戦争路線を止めよう。

 (4月14日)
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