2024年04月26日 1819号

【6・17最高裁包囲共同行動へ/司法の危機突破/「原発事故は国の責任」】

 最高裁第3小法廷は4月10日、原発事故の国の責任を問い上告していた「いわき市民訴訟」原告に対し、上告棄却、上告受理申立て不受理を決定した。一昨年6月17日の“国に責任なし”の最高裁判決以降、下級審はコピペ判決を繰り返す。最高裁判決後初の同訴訟控訴審でも、仙台高裁は国の規制権限不行使を「違法な不作為」としながら、国の責任は否定していた。

 巨大法律事務所を軸に最高裁判事・電力会社・政府(規制庁)の癒着は深まり、司法は危機だ。現在上告中のかながわ訴訟などの集団訴訟や東電刑事裁判、子ども脱被ばく裁判、住宅追い出し裁判も上告棄却、審理拒否の可能性がある。

 司法の劣化に歯止めをかけ「国に責任あり」の判決を勝ち取ろうと3月に立ち上げた6・17最高裁共同行動実行委員会は、ますます法廷外での闘いが重要になったと、6月17日の幅広い共同行動を呼びかけた。当日は午前に最高裁要請、正午から人間の鎖で最高裁包囲、午後に衆院第1議員会館で集会を開く。前日にもシンポジウム「巨大地震と原発〜司法のあり方を問い直す」がもたれる。

 実行委員会は、原発賠償集団訴訟はもとより東電刑事裁判、再稼働差し止め訴訟、アスベスト訴訟の原告・弁護団やひだんれん、ノーモア原発公害市民連絡会など16団体で構成される。人権、公害、環境問題に取り組む団体・個人に広く賛同を呼びかけている。
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