2024年05月24日 1822号

【不登校の子どもたちに公的支援を フリースペースが署名1151筆提出 横浜市】

 横浜市鶴見区の「NPO法人子どもと共に歩むフリースペースたんぽぽ」は5月10日、不登校の子どもたちの健康診断の受診と経済的支援を求めて、横浜市議会に請願書、署名を提出。NHKの取材が入った。<NHKの報道(5/9及び5/10)>

 全国の小中学校の児童・生徒の不登校は約30万人、横浜市でも8千人を超えている。その子どもたちが、多様な学びを求めてフリースペースやフリースクールに通うと、保護者への経済的負担が生じるうえ、健康診断も自費で受診しなければならない。たんぽぽの一之瀬百樹理事は「義務教育は無料で受けられると憲法でうたっている。子どもたちは未来の幸福へのアクセス権、健康に生きる権利が侵害されている」と語った。

 たんぽぽが独自に行ったアンケート結果によると、約半数が何年も健康診断を受けられていない。疾病の発見が遅れ健康リスクが高まる恐れから、制度の確立が急がれる。

 学校外健康診断は大阪府吹田市で実現している。鎌倉市ではフリースクール等利用への支援補助金を実施。東京都も同様の支援を2024年度から開始予定だ。

 これらの支援制度は「たんぽぽのような施設が中心となって行政に働きかけた成果だ」(一之瀬さん)。横浜市は、この日手交した1151筆の署名を無視することはできないだろう。

 たんぽぽの副理事長と親の会代表は、フリースペースなどの「どこにもつながれていない子どもたちの居場所」への公的支援の重要性を強調した。

MDSホームページに戻る   週刊MDSトップに戻る
Copyright Weekly MDS