2024年05月31日 1823号

【1823号主張/ただちにラファから手を引け/虐殺への加担を許すな】

ナクバの日 世界が行動

 イスラエルは5月6日、ガザ最南部ラファへの地上侵攻を開始。今も攻撃を拡大し続けている。現地では、80万人以上の住民が避難
を余儀なくされている。UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)によれば、昨年来のイスラエルの大規模侵攻でガザ地区では人口の75%にあたる170万人が住まいを追われた。

 イスラエル建国宣言(1948年5月14日)の翌5月15日は、パレスチナ人が故郷を追われた「ナクバ=大災厄の日」。今回の攻撃による犠牲は、「第二のナクバ」とも言われる。

 これに対し、世界の市民がパレスチナに連帯して行動に立ち上がっている。全米60以上の大学でテント籠城闘争が広がり、労働組合やDSA(アメリカ民主主義的社会主義者)が連帯。欧州や韓国、日本の大学にも同様の動きが広がる。

 ナクバの日に合わせ、ヨルダン川西岸をはじめ中東全域から世界各地でガザに連帯する行動が行われた。世界の運動・世論を背景に、国連総会では5月10日、143か国がパレスチナの国連加盟を支持。国際司法裁判所は、ラファ攻撃停止を求める暫定命令を南アフリカの再要請で審議している。

イスラエル支える米欧日

 孤立するイスラエルの後ろ盾となっているのは米欧日などの各国政府だ。バイデン政権は一時「武器供給停止」に言及したが、ホワイトハウスのジャンピエール報道官は「イスラエルが防衛に必要なものを手にすることができるようにしたい」と述べ、軍事支援を続けている。戦車用の砲弾や戦闘用車両を含む総額10億ドル(約1550億円)以上の武器をイスラエルに売却する方針も明言した。英国やドイツは武器提供などを現在もやめていない。

 岸田政権は、イスラエル製の小型無人攻撃機(ドローン)の導入を計画しイスラエル軍需企業との協力関係継続に固執する。外務省中東アフリカ局長は、国会でラファ侵攻反対をイスラエルに伝えたかと問われ、「コメントは控える」と答弁し黙認する政府の姿勢を示した。国際法違反の虐殺への加担に他ならない。

停戦へ直ちに行動を

 ラファでの即時停戦を求め、市民の行動を広げる時だ。人びとの命・生活こそ最重要であり戦争ではなく対話で平和を築く―パレスチナの停戦、占領終結を求める闘いと、沖縄・全国の軍事化という戦争政策をとめる闘いは一体のものだ。

 世界の行動に連帯し、ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)は、ラファ攻撃中止を求める行動やイスラエル協力企業への抗議を呼びかける。また、5月25日〜6月2日、沖縄・琉球弧に連帯するスピーキングツアーを全国9会場で開催する。全国の市民とともに戦争とめようの声を広げよう。

   (5月18日)
MDSホームページに戻る   週刊MDSトップに戻る
Copyright Weekly MDS