2024年05月31日 1823号

【ナクバの日 全国連帯アクション/パレスチナ全土の解放 パレスチナ人の「帰還権」実現へ】

 イスラエル建国により75万人のパレスチナ人が土地と家を追われたナクバ(大災厄)の日、5月15日。今も続くナクバを終わらせようと全国連帯アクションが取り組まれた。

 東京・新宿駅南口には、故郷を奪われたパレスチナ人の「必ず我が家に戻る」思いを象徴する大小さまざまの「鍵」を手に人びとが集った。ガザ出身のハニンさんが訴える。「ジェノサイドは2023年10月7日に始まったのではない。重武装したユダヤ人民兵がパレスチナ人を虐殺し、私たちの歴史を抹消するため村を破壊し、土地を奪い始めた1948年5月15日以前にさかのぼる。私たちが『川から海まで』と叫ぶのは、停戦だけではなく歴史的パレスチナ全土の占領の終結を求めているから。この要求には、退去を強いられたパレスチナ人全員の帰還の権利も含まれる」

 ナクバ生存者の証言が朗読された。「私は必ず村に戻る。私でなければ私の息子、息子でなければ孫が戻る。1948年の出来事を集団の記憶から消してはならない。初期のシオニストは『この土地は無人の土地だ』と言ったが、私たちには誰も消すことのできない文化と遺産がある」

 インスタグラムでライブ発信していた歌手の坂本美雨さん。「たくさんのパレスチナの友人たちが『ありがとう』『ありがとう』とコメントしてくれた」と前置きし、ガザに住む記者の証言を読み上げる。

 パレスチナ人と日本人を両親に持つラッパー、ダニー・ジンさんは「恵まれている俺らが行動しないと誰が行動する? 俺はもう次の世代にナクバを残したくない」と話し、「また人が死に また人が死に 希望が閉ざされる 奥底に 綿菓子みたく軽い命の価値 繰り返される 大惨事」とラップに乗せて歌った。

「学術ボイコット 今すぐ」―東大キャンパス

 翌16日には東京大学駒場キャンパスで「ナクバデー パレスチナ連帯プロテスト」が行われ、学生数百人が参加した。

 要求は「アカデミック・ボイコット」「情報開示と投資引き上げ、声明発表」「パレスチナの学生・研究者らの受け入れ」「大学の全構成員が沈黙をやめ、立ち上がる」の4項目。「We we the student/We demand liberation=我ら学生/解放求める」「世界の学生/沈黙しないぞ」「イスラエルボイコット/今すぐ実行」のコールを熱く響かせた。

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