2024年06月07日 1824号

【未来への責任(399)遺骨土砂使用断念求め政府交渉へ】

 6月23日沖縄戦慰霊の日、沖縄戦南部の遺骨土砂の辺野古基地への投入を許さない取り組みが山場を迎えます。岸田首相が慰霊祭に沖縄に来るというなら遺骨土砂使用をまず断念せよ、との声は大きくなっています。

 戦没者に哀悼の誠をささげるなどと慰霊祭で言いながら、一方で遺骨土砂を海に捨てるなど認められるはずがありません。沖縄戦遺骨収集ボランティア・ガマフヤーは5月13日沖縄県庁で記者会見し、岸田首相に対して「沖縄全戦没者追悼式に参加するならば、沖縄本島南部から辺野古埋め立て土砂を採取する計画の断念を追悼式までもしくは追悼式において県民及び全国の沖縄戦遺族に対して表明すること」という要請書を沖縄の国会議員「うりずんの会」から首相に提出することを明らかにしました。

 沖縄現地ではTVニュース数社で大きく報道されました。「断念をしないならば沖縄には来ないでほしい」という具志堅さんの強い訴えまで各社が伝えました。共同通信の配信は全国の地方紙が取り上げ、さらに詳しい続報を配信しています。

 6月18日衆院第1議員会館での内閣府・防衛省交渉で回答を迫り、断念の回答がない場合、6月20日から沖縄県庁前でガマフヤーを中心にハンストに入ります。

 今年、強制代執行で1月初めから大浦湾側の工事を進める防衛省に対し、沖縄現地でのハンスト行動からの2月5日の大衆的防衛省交渉は彼らを大きく追いつめました。全国各地からの参加した遺族からの追及とともに、「沖縄南部の琉球石灰岩が硬度が弱く防衛省の基準に沿わない」ことも明らかになりました。そんな中、4月には防衛省は県外の候補地を示すなど明らかに動揺する姿勢を見せています。

 今必要なことは、まず戦没者の尊厳を守るために沖縄南部遺骨土砂を完全に断念させることです。ご存じのように遺骨には韓国人軍属の遺骨もあり、韓国政府からは170人の遺族のDNA鑑定が日本政府に求められています。米軍人の遺骨も220人の遺骨が未収容であり日本だけの問題ではありません。また、沖縄県内の採取可能土砂の7割を占める南部土砂使用を阻止することは基地建設の挫折へもつながります。

 今回の政府交渉はZENKOや首都圏反基地交流会など、ガマフヤーと東京で南部土砂問題をいっしょに闘ってきた15団体が協賛団体として協力いただいています。6月23日慰霊の日を頂点に高まる沖縄県民の「戦没者の尊厳を守れ!再び沖縄を戦場にするな」の声と連帯し、動揺する政府に遺骨土砂使用の断念を迫りましょう。

(戦没者遺骨を家族のもとへ連絡会 上田慶司)

■6月18日「総理は訪沖前に遺骨土砂使用断念を表明せよ!防衛省・内閣府交渉」 午後2〜4時/衆院第1議員会館・多目的ホール/30分前開場

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