2024年06月14日 1825号

【1825号主張/世界の市民と学生がICC・ICJ動かす/国際連帯で攻撃停止・占領終結へ】

虐殺停止の圧力高まる

 ラファ侵攻、ガザ虐殺を続けるイスラエルに対する国際的な圧力が高まっている。ICC(国際刑事裁判所)は5月20日、検察官がネタニヤフ首相らに対し、戦争手段としての飢餓、殺人など7項目の戦争犯罪、人道に対する罪で逮捕状を裁判部に請求した。ICJ(国際司法裁判所)も24日、ラファ攻撃即時停止やラファ検問所開放などの暫定措置命令を出した。欧州では、アイルランド、ノルウェー、スペインがパレスチナ国家を正式に承認した。

 イスラエル批判を強め、さらに追いつめる時だ。

高揚する国際反戦闘争

 イスラエル孤立化の背景には、国際反戦闘争がある。米大学の連帯キャンプ(籠城〈ろうじょう〉闘争)は世界に広がり、学生たちがリードする平和運動がベトナム反戦以来の高揚をみせつつある。日本でも東大、京大、早大など各地で抗議行動が始まった。

 巨額の資産運用をしている米国の各大学に対しては、投資先開示と対イスラエル投資引き揚げを要求。BDS(ボイコット・投資引き揚げ・制裁)運動の投資に迫る闘いは資本主義への根本的批判につながる。各国大学当局がイスラエル支持の姿勢を崩さず、警察を動員し暴力的に学生を弾圧・排除しているのに対し、学生を支援する労働者・市民の動きも広がっている。

 イスラエルでも停戦を求める声は高まっている。バイデン米大統領が5月31日、イスラエルの提案として発表した「新停戦案」は、人質解放と引き換えに、「完全な停戦」「恒久的な敵対行為の終結」「ガザの復興着手」を段階的に進める内容といわれ、合意されれば恒久的停戦への一歩となる。6月1日、テルアビブのデモには12万人が参加し、同案に基づく合意とネタニヤフ退陣を求めた。エルサレムでもデモが取り組まれた。

 大規模なデモは6月8日にもワシントンやロンドンなど世界各地で呼びかけられている。国際的闘いに連帯しともに立ちあがろう。

虐殺加担の日本変えよう

 ネタニヤフ政権は「ハマス壊滅」の主張を繰り返すが、国際的にも国内的にも追い込まれている。後ろ盾である米欧日各国も、仏政権がICCの逮捕状請求を支持し、マクロン大統領がパレスチナ国家承認の準備があると表明するなど意見分岐も生まれている。

 日本政府は虐殺加担をやめ、ICJ命令を支持しICCに付託する(=捜査・訴追をゆだねる)ことで、即時の攻撃停止と占領終結をイスラエルに求めなければならない。また、両国間の軍事・経済協定の破棄を表明させることが必要だ。

 いま地域から声を上げ、6・14ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)中央省庁要請行動で岸田政権に直接声をぶつけよう。虐殺停止、占領終結を実現しよう。

 (6月2日)
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