2024年06月14日 1825号

【「平和は闘いとる以外ない」/戦争前夜の宮古島から呼びかけ/神奈川集会】

 5月28日の神奈川集会には「ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会」の清水早子さんが会場参加。「平和は今、闘いとらなければ得られない。戦争前夜の社会に立ち向かい、一切の戦争協力を拒否しよう」と熱く訴えた。



 宮古島の島内各地に軍事施設がつくられつつある。千代田のミサイル基地、保良(ぼら)の弾薬庫・射撃訓練場、長山港の海上保安庁巡視船拠点、野原(のばる)のレーダー基地・地下シェルター…。「ミサイル基地の真ん中に御嶽(うたき)が閉じ込められている。聖なる泉の湧く場所も埋められてしまった。『ヘリ墜落10人死亡事故(23年4月)は御嶽の祟(たた)り』と住民は口々に言う」

 島の南部にある準天頂衛星追跡管制局は、ミサイル誘導や攻撃目標の特定を担う。基地内では頻繁に軍事訓練が実施され、軍用車が一般道を走ることもしばしばだ。重要土地規制法により、清水さんらが行うゲート前スタンディング行動は「機能阻害行為」として罰せられるおそれさえある。

 戦争準備は着々と進む。戦車が南西諸島仕様に改造された。琉球石灰岩が爆破されるとどうなるか、調べている。防衛省は今後、独自に血液製剤を作って備蓄し、有事には米軍と相互に運用する。自衛隊員が戦場で負傷すれば、那覇から福岡や熊本などの病院に送り出す。清水さんは「ぞっとした。これは死傷者が沖縄で生まれるということ。戦場は沖縄であると示していることに他ならない」と危機感をあらわにする。

 4〜5月、250枚の市民用の遺体収容袋が宮古島に搬入されていた。下地島空港の軍事利用も再浮上している。宮古・八重山12万人の九州避難計画など全くリアリティがない。陸上幕僚副長らが靖国参拝した翌日、宮古島の自衛隊トップらが宮古神社に参拝した。

 「南の島々に近づく戦争の『足音』ではなく『姿』が、私たちには見え始めている。私たちの闘う武器はこの身一つしかない。体を張って止める以外に平和を闘いとる方法はない」と清水さんは力を込めた。

 集会はこの後、ガザ・沖縄写真展や上映会の報告、6月23日「戦争いらない!NO WAR!パレードin桜木町」の呼びかけ、「月桃の花」歌舞団の歌声を受け、「宮古島を戦場にしないで!」バッグを清水さんに贈って閉幕した。

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