2024年06月21日 1826号

【1826号主張 戦争と民主主義破壊の暴走 行き詰まる岸田政権は退陣だ】

噴出する市民の怒り

 自民党による裏金問題への市民の怒りが岸田政権を追い詰めている。

 自民と公明、維新は6月6日、衆院本会議で「政治資金規正法改定案」可決を強行した。施策私物化のための企業・団体献金については一切触れずに容認。これまで脱法的に行われていた政策活動費を合法化、収支報告書要旨の作成・公表の義務すら削除し、市民の監視が届かないようにする法案だ。岸田政権と維新は、今後も企業・団体献金を受け取り、グローバル資本の儲け本位の政策を続けると宣言しているに等しい。

 幕引きを市民は許さない。改定案衆院通過を評価しないは60%、内閣支持率は21%と発足以来最低を更新した(6/10NHK世論調査)。怒りは高まる一途だ。

すべて戦争と資本のため

 実質賃金は過去最長の25か月連続で減少、社会保険料や生活必需品の値上げで、市民生活は困窮している。一方、グローバル企業の内部留保は過去最高の537兆円(前年比4・7%増)。5年間で43兆円の軍事費確保や巨大開発のため、社会保障関連費削減を狙う。軍需産業をはじめグローバル企業の要望に応えるためだ。

 裏金問題のどさくさに紛れて6月5日、次期戦闘機の開発・生産・輸出を解禁する「共同開発条約」が参院で承認された。開発費は5年間で7700億円、開発期間35年の総経費は数兆円規模になり、軍需グローバル企業に莫大な利益をもたらす。米国や諸外国との武器開発を進めるため、情報にアクセスできる市民を身辺調査する「経済秘密保護法」をも成立させた。

 岸田政権は戦争準備を加速している。全国の自衛隊基地の軍事要塞化をすすめ、弾薬庫を新設し、沖縄・琉球弧の島々にはミサイルを配備。全国16の空港・港湾を軍事利用可能な「特定利用空港・港湾」に指定する。戦時体制づくりに向けて自治体を指揮下に置く地方自治法改悪案成立を狙う。はては今国会での憲法改悪条文案提出までもくろんだ。

 能登半島地震被災者の生活再建は放置され、災害関連死者数は100人(申請中含む)にのぼる最中、カジノ建設のための大阪万博には巨額の税金を投入する。

 岸田政権・維新らによる戦争推進とグローバル企業の利益優先がくらしを破壊し、命を脅かす。これに市民は憤っているのだ。

岸田政権は倒せる

 4月の衆院3選挙区の補欠選、5月の静岡県知事選、東京・目黒区都議補選、6月の同港区長選で、自公・維新などの生活破壊・戦争推進勢力は敗北した。今、市民の怒りは岸田政権に向かっている。

 沖縄県議選(6/16)、東京都知事選(7/7)に市民と野党の共闘、運動の力で勝利し、自公・維新、戦争推進勢力もろとも岸田政権を打倒しよう。

 (6月10日)
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