2024年06月21日 1826号
【領収書の「黒塗り」もOK/ザル法をアシストした維新馬場】
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自民党の裏金事件を受け、自民が公明党と日本維新の会の主張を盛り込んでまとめた政治資金規正法の改正案が6月6日の衆院本会議で可決された。一方、立憲民主党が提出していた企業・団体献金の禁止法案は自民、公明、国民などの反対多数で否決された。
自民と修正協議を重ねてきた維新の藤田文武幹事長は「今考え得る大きな穴は、ほとんどふさげた。僕からすると100点に近いと思っている」と語った。NHK朝ドラ『虎に翼』の主人公ではないが「はて?」と言わざるを得ない。
維新はもともと▽企業・団体献金の廃止▽政策活動費の廃止または領収書の全面公開▽「連座制」導入の3点セットを掲げていたはずである。これらは自民の修正案にまったく入っていない。要は「やってる感」のアピールにすぎなかったということだ。
しかも、維新が「自民に要求を飲ませた」と自賛する「政策活動費の使途を示す領収書などの10年後の公開」や「支出を監査する第三者機関の設置」などは法案の本則に入っていない。付則に列挙され「具体的な内容について検討する」となっている。これでは単なる先送りではないか。実現性に乏しいと批判されるのは当然だ。
馬場伸幸代表の発言はさらにひどい。領収書の公開には個人情報への配慮が重要だと述べ、一部の「黒塗り」を認める考えを示したのである(6/6)。まさに自民お助けマンの面目躍如というほかない。
馬場は5月17日に配信されたネット番組で、次期衆院選で自公が過半数割れした場合「与党に入る選択肢は排除しないのか」と問われ、「そういうことです」と答えている。狙うとすれば万博担当大臣のポストであろうか。想像するだけで、おぞましい。 (O) |
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