2024年06月28日 1827号

【1000人が最高裁を完全包囲/避難者 反原発団体らがヒューマンチェーン/原発事故は国の責任】

 「やったあ〜、つながったぞ〜」。最高裁を包囲する人間の輪≠ェ1000人で完成した瞬間、参加者は明るい表情で喜び合った。6月17日、16団体で構成された6・17最高裁共同行動実行委員会の呼びかけによるヒューマンチェーンが実現した。

 福島原発事故の国の責任を否定した2022年6月17日の最高裁判決を正そうと、神奈川・千葉・京都・関西などの損害賠償請求集団訴訟をはじめ、現在最高裁で係争中の東電刑事裁判、子ども脱被ばく裁判、原発避難者追い出し訴訟、控訴審の東電株主代表訴訟などの原告・支援者・弁護団がそろった。また、建設アスベスト訴訟、民医連など反公害闘争に取り組む労働者・市民、ノーモア原発公害市民連絡会や東海第二原発・女川原発の再稼働と闘う市民らが一堂に会した。

 国の責任を明確にさせないと再び大事故が起きかねない、個別の闘いでは展望が切り開かれないとの危機感を背景に、初めて共同行動が実現した。

 沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックは「反原発と反基地は同じ問題」として駆け付けた。誰もが口にしたのは「最高裁をこれだけの規模で囲んだのは初めての経験で感動した」(弁護士)。

 最高裁の周囲に参加団体の旗が林立する中、伊東達也実行委員長(いわき市民訴訟原告団長)が「司法の劣化を許さない共同行動の開会を宣言する。本日の一日共闘は未来へと続く希望ある行動となっている」と力強くあいさつ。

司法の劣化許さない

 続いて各参加団体からの3分間スピーチが入る。「原発事故は人権侵害です。みんなで一緒に未来へ胸を張って手渡せる社会にしていこう」(原発被害者訴訟原告団全国連絡会)

 太鼓のリズムに合わせて「原発事故は国の責任」「司法の独立どこ行った」とコール。これに乗って“怒り”“独立”のうちわが一斉に振られる。

 コールの最後は、ヒューマンチェーンだ。「ただいま、最高裁を完全に包囲しました」。配置された8台のスピーカーからアナウンスされると、大きな拍手と歓声が起こった。

 終了後、衆院第一議員会館で開かれた報告集会・シンポジウムには、会場からあふれる400人以上が集まり、急きょ第二会場が設置される盛り上がりを見せた。   《詳報次号》



関西でも連帯し行動

 関西でも6月15日、「最高裁不当判決をただす関西共同行動」に原発賠償の京都、関西、ひょうごの各訴訟団、ZENKO関電前プロジェクトなど45人が参加。大阪地裁・高裁前集会から西梅田までのパレードでにぎやかかにアピールした。

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