2024年06月28日 1827号
【府民の署名が大阪を変える/健康被害必至の夢洲・万博への子ども動員にノー/夢洲カジノを止める大阪府民の会】
|
大阪府は、万博の入場者数を増やそうと子どもたちの動員事業を大々的に行っている。府の予算で1回目、各自治体予算で2回目以降を。大阪市は夏休み中、子どもに無料パス券を配布する事業も企画する。
カジノを止める大阪府民の会は「万博への子ども招待反対運動」を進めている。メタンガスが噴き出し、汚染物質がどこに埋まっているか判らない夢洲(ゆめしま)。熱中症と相まって健康被害の可能性があり、大雨・強風によるアクセス遮断や、地震の被害がいつ起こっても不思議ではない。子どもの動員は止めなければならない。
署名活動を開始
昨年12月、WEB・紙ともに「有害物質が埋まる万博へ子どもたちを招待しないでください!」署名運動をスタートした。3月30日には会のホームページに「立ち止まろう!万博子ども招待」を開設し、府内各地のさまざまな取り組みやニュースが、一目でわかるように発信が強化された。
夢洲情報の提供は、府内の▽小中学校(約1400校)▽特別支援学校(49校)▽高校、専門学校、インターナショナル校等(計296校)に及んだ。小中学校の75%には、会の地域メンバーが手渡しやポスティングで届けた。
3月28日、夢洲でメタンガス爆発火災事故が発生した。事故が起きた場所は、有害物質が多く危険なため立ち入り禁止となっていた「夢洲1区」エリア。メタンガス等を抜くために縦横に抜き管が張り巡らされ、危険きわまりない場所だ。
メタンガスは何十年と発生し続けるため、事故再発の危険性は十分ある。生命の危険が予想される場所に招待≠ネど言語道断だ。
親の気持ち突きつける
4月18日には、「平和と民主主義をともにつくる会・大阪」が、大阪市教育委員会と市民団体協議を行った。子どもを小学校へ通わせている保護者が、親の気持ちを代弁する。
「万博への行事参加については、いろいろ問題があると思う。まず一番は安全の確保が全然クリアになっていない。『命輝く』というのも、能登で地震があって困っている人もたくさんいるし、世界で戦争が起こっていて、それこそ、子どもたちにちゃんと教育してほしい。おかしいところがたくさんあるこの万博。全く心配。万博にたくさん来ていると見せるために、子どもたちを動員させているようで、うちの子どもを連れて行ってほしくない思いがすごくある。市教委としても責任を持って対応していただきたい」
府民の会は5月2日、署名第1次集約分として、大阪府知事及び大阪府教育長あてに署名3936筆(紙署名2617筆、WEB署名1319筆)を提出。危険な万博会場への子どもたちの招待をやめさせるために要請書も手渡した。
参加者は、情報提供に取り組む中で聴いてきた▽いまだに避難計画が発表されていない▽爆発事故は今後も起こり得る▽保護者や先生は不安だらけ―などの切実な声を伝え、招待事業の中止を求めた。
不参加の声が広がる
5月24日、交野(かたの)市の山本景市長が記者会見で「万博に行きたいという学校は一つもございませんでした。市長としてはこの際、無料招待は『学校で行かなくてもよい』と表明します」と公言。同市内の全小中学校13校が学校単位での参加に「未定・検討中」としていたためだ。子どもの万博動員は、いっそう注目を集めるようになった。
会のメンバーが資料提供を続ける中で「うちの学校は万博へ行かない」と表明する校長も出てきた。
WEB署名は6月16日現在で4170筆に達した。「夢洲万博に子どもたちを招待しないでください」の声は、さらに大きく広がろうとしている。
|
|