2024年06月28日 1827号

【3万4881筆の署名提出 訪問介護報酬引き下げ撤回を/厚労省】

 厚生労働省には「訪問介護報酬の引き下げを撤回し、国の責任で介護職員確保を求める」署名とともに申し入れ。ネット署名3万4196筆、紙で685筆を提出した。わずか3週間でのこの多くの署名は、介護報酬改定やホームヘルパー不足に憤りが渦巻いている表れだ。私たちはその思いを訴えた。

 厚労省は「処遇改善加算をとれば賃上げも事業経営も成り立つ。小規模事業所に加算取得を働きかける」と繰り返す。何も問題がないと思っているようだ。

 だが、加算取得は膨大な手間がかかり利用者の負担増につながるため申請が困難。訪問介護報酬引き下げの結果、報酬単価の高い身体介護にシフトし生活支援の回数を減らさざるを得ない実態が突きつけられた。必要な介護を保障できない事業者の悲痛な叫びだ。

 「ホームヘルパーの人材不足は課題」と言いながら、処遇改善加算以外に方針を出せない厚労省。募集してもヘルパーの応募がなく高齢のヘルパーに頼る事業所、ヘルパー不足で倒産する事業所が多い実態を認識させた。国の資金による大幅賃上げを強く要請した。

 厚労省は何一つ具体的な回答を示せなかったが、このままでは介護保険制度が崩壊し在宅の介護保障できなくなるとの私たち訴えに、「危機感を受けとめる。実態を調査し、結果から今後の方向性を考える」と、次につながる発言を引きだした。

(尊厳ある暮らしを連絡会・手塚隆寛)

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