2024年07月12日 1829号

【1829号主張/平和をつくりだすZENKOin大阪へ/直ちに戦争を止め社会を変える】

即時停戦以外にない

 パレスチナ自治区ガザの人道危機が深刻さを増している。6月25日発表された国連世界食糧計画の「総合的食料安全保障レベル分類」報告書は、ガザの食糧危機が9月までに約50万人が最も深刻なフェーズ5≠ニなり、「極度の食糧不足、飢餓、対処能力の枯渇を経験する」と予測。最大の犠牲者は子どもたちだ。報告書は、敵対行為の停止だけが飢饉(ききん)が発生するリスクを軽減できると訴えた。一刻も早い停戦が必要だ。

 6月19日、イスラエル軍報道官は「ハマス壊滅は不可能」との認識を示した。「ハマス壊滅」は口実に過ぎず、ガザからのパレスチナ人の一掃=「民族浄化」が戦争目的であることは明らかだ。

 だが、即時停戦を求める全世界そしてイスラエル国内の声の前に、ネタニヤフ首相も「激しい戦闘は終りつつある」と言わざるを得ない。停戦への流れを止めることはできない。

人権抑圧する基地強化

 軍事基地強化が進む沖縄でも子どもが犠牲となった。昨年12月24日に嘉手納基地所属の米兵が16歳未満の少女を監禁し、性的暴行を加えた。3月27日に那覇地検が起訴し、同日、外務省がエマニュエル駐日米国大使に抗議した。しかし、そうした事実は沖縄県に情報提供されず、6月25日に報道されるまで起訴以降3か月間も放置されたのだ。

 外務省は「被害者のプライバシーに関わる事案は慎重な対応が求められており、常に関係各所へ漏れなく通報が必要であるとは考えていない」とするが、「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」共同代表の高里鈴代さんは「被害者保護と言いながら、守ろうとしたのは米軍側ではないか」と批判する(6/27朝日)。

 5月にも米兵による性犯罪事件があり、米軍犯罪の隠ぺいが常態化していた可能性もある。基地あるがゆえに人間の尊厳が踏みにじられている。断じてひとり沖縄だけの問題ではない。

国際連帯で戦争政策阻止

 その沖縄で6月23日、全戦没者追悼式に出席した岸田首相は「米軍基地の集中等による大きな負担を担っていただいています」と言った。深刻な基地負担を担わせてきたのは誰なのか。岸田政権は大浦湾での本格工事を8月1日から始めると県に通告した。「南西(諸島)地域を含め防衛力を強化」(6/23会見)として、さらなる基地負担を押しつけようとしている。

 7月27〜28日の「ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交換会)in大阪」には、パレスチナ、イラク、米国、韓国、台湾、フィリピンから停戦を求める反戦反基地勢力、そして沖縄・琉球弧と全国の反基地運動が集う。戦争勢力に抗し平和を闘いとる方針をうちたてよう。国際連帯で即時停戦を実現し、戦争政策を阻止しよう。

 (6月29日)
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