2024年07月19日 1830号

【1830号主張/東京都知事選 蓮舫さん及ばず/今必要なことは 市民と野党共闘の徹底深化だ】

 7月7日投開票された東京都知事選で小池知事が当選し、われわれが支持した蓮舫候補は3位であった。

広がった自発的共闘運動

 小池は「8年間の実績を評価していただいた」(7/8朝日)と言うが、前回選挙に比べて74万票も減らした。蓮舫さんは前回の宇都宮票より40万票伸ばした。石丸候補も含めると小池反対票は293万票となり小池を上回る。小池は街頭演説を12回しか行わず、争点を隠し、当選した。市民の支持を増やしたのではない。

 また都議補選では、自民党は8選挙区で立候補したが、選挙前の5議席を下回る2議席しか取れなかった。自民党は敗北した。自民党支配に対する市民の厳しい審判である。

 蓮舫さんを支える市民と野党の共闘は大きく前進した。各地で自発的にスタンディングが行われ市民が多く蓮舫演説に結集した。宇都宮選挙よりはるかに大きな共闘運動が実現した。これは自民党支配、グローバル資本主義の生活破壊への市民の怒りの表れである。

青年層の苦しみ

 問題は、小池を倒す大きなチャンスであったにもかかわらず、蓮舫候補が第3位に終わったことだ。第2位に入った石丸は「政治再建」「政治屋一掃」「自信をもって東京を動かしましょう」とほとんど具体的政策を語らず「改革」のイメージをSNSで売り込んだ。この石丸が無党派層の支持を一番多く獲得した(石丸36%、小池32%、蓮舫16%〈出口調査〉7/8朝日)。20歳代、30歳代の青年の支持もトップだった。

 現在のグローバル資本主義のもたらす抑圧、支配、搾取に苦しむ青年たちが改革を装った石丸に展望求めたのだ。このような動きは、ヨーロッパでの改革を掲げた右翼政党の台頭と軌を一にしたものである。

共闘の解体を許さない

 選挙結果を受けて野党共闘解体をはかる動きが出てきている。読売新聞は7月8日付社説で「共産との共闘に活路を見出そうとした立民も戦略の見直しを迫られそうだ」と指摘した。グローバル資本は自公政権を存続させるために何としても市民と野党の共闘を破壊したいのである。

 蓮舫候補が勝利し得なかったのは立憲民主党と共産党との共闘のためではない。小池と自民は新自由主義推進で全く同じであり、反自民とともに反小池をいっそう徹底すべきであった。立憲は安保問題で政府法案に賛成することが多く、軍拡路線と本質的に対決していない。選挙の時だけの共闘ではなく、軍拡、社会保障切り捨てに反対し教育無償化、賃上げなどを進める草の根からの共闘運動を日常的に強化、深化させることで、青年層とともに大きくこの共闘を広げていかなければならない。フランスで新人民戦線が勝利したように日本でも勝利をかちとることができる。

(7月9日)
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