2024年07月26日 1831号

【パレスチナ人民闘争戦線(PPSF)/民主主義的社会主義を基盤に独立国家を/あらゆる合法的手段で解放勝ち取る】

 2024ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)in大阪(7/27〜7/28)にパレスチナ人民闘争戦線(PPSF)の議長アーマッド・マジュダラニさんらがオンライン参加する。PPSFはパレスチナ解放をどう闘いとろうとしているのか。ウェブサイトの情報をもとに紹介する。

党の目的

 PPSF(The Palestinian Popular Struggle Front)はパレスチナ民族運動のさまざまな党派と共闘する全国的な民主主義政党である。1967年の6月戦争(第3次中東戦争)でイスラエルがヨルダン川西岸地区、ガザ地区および他のアラブ地域(ゴラン高原およびシナイ半島)を占領したことを受け、7月15日に設立した。

 イスラエルの占領を終わらせ、パレスチナ人の自決権、自らの土地に対する主権を行使し、エルサレムを首都とする独立国家を樹立することを目指している。

基本方針

 PPSFは6月戦争以前の境界線に基づく独立パレスチナ国家の樹立を求め、あらゆる合法的手段による闘争を行う。

 独立パレスチナ国家では議会制政治システムを確立する。複数政党制に基づき、権力の平和的・民主的な交代を可能とし、立法、司法、行政の権力分立の原則および表現、集会、結社の自由を含む全市民の権利を憲法で保障する。また、人種、性別、宗教に関係なく、労働者・労働組合の権利を保障し、人びとが継承してきた歴史的な経済的・文化的現実と一致する民主主義的社会主義の基盤の上に、正義と平等の原則が支配するパレスチナ社会を確立する。

 パレスチナ解放機構(PLO*注)は、パレスチナ人民の唯一の正当な代表であり、独立パレスチナ国家の樹立を達成するための国民的闘争の指導的役割を果たしている。PLOの枠組み内で、民主的戦線に基づくパレスチナ民族の統一の形態と内容を深めることを目指す。

主な活動

 PLOとイスラエルが合意したオスロ協定(93年)は、当事者間の不均衡なパワーバランスにより不公正が押し付けられたため、PPSFは多くの条項について留保したものの、パレスチナ自治政府のすべての機関に参加し、立法評議会の選挙にも積極的に参加してきた。

 だが、政府機関の汚職と縁故主義の蔓延、不透明性と説明責任の欠如に関する意見の相違により、初代労働大臣は辞任(98年)。現在は、自治政府(ハマスを除く)に復帰し、ヨルダン川西岸地区とガザ地区の全域にセンターを設置し、学生、労働者、女性、青年、専門職の各組合を設立してパレスチナ市民社会の枠組み作りに貢献している。

 PPSFは囚人問題委員会などとともに占領軍が不当に逮捕したパレスチナ人の解放を求めて抗議行動を行なっている。10月7日以降、逮捕された者は約9600人にのぼる。これまでにないほどの虐待、拷問が行われている。

(*注)

 PLOは64年の結成。現在パレスチナ解放をめざす10の政党、組織の統合組織として存続。国連はパレスチナ人の唯一の代表機関と認めている。93年自治政府発足後、パレスチナを国家として承認する国が145(6月3日)となり、安保理が加盟勧告すれば、国家として国連加盟国となる。

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