2024年07月26日 1831号
【DSAニックのアメリカレポート(第8回)/最低賃金引き上げ住民投票へ/署名成功を担ったDSA支部】
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7月11日、スノホミッシュ郡庁所在地エバレット市のすべての労働者の最低賃金引き上げを目標に住民投票の実施を求める1000人以上の署名が市に提出された。
20・24jに引き上げ求め
エバレットの最低賃金引き上げキャンペーンは「EDR(Everett Deserves Raise)」と呼ばれ、DSAスノホミッシュ郡支部と地元労働組合の連合が支援した。キャンペーンは、主催者による数か月の準備を経て、6月に開始された。
DSAシアトル支部が行ったレントン市での最低賃金引き上げキャンペーンの成功を受け、EDRはエバレット労働者の最低賃金を現在の16・28j(約2600円)から20・24j(約3200円)に引き上げ、地域の多くの都市と同じ水準にすることを目指している。マサチューセッツ工科大学調査によると、共働き4人家族がスノホミッシュ郡で生活するために必要な時給は33・42j(約5300円)と、現在の最低賃金の倍以上である。
署名は議会に行動を強制
エバレットでは、市民は有権者が署名した嘆願書を提出することで市議会に行動を強制することができる。必要な署名の数は、前回の地方選挙の総投票数の最低5パーセント。今回、EDRは956人以上の有効署名を7月15日までに提出することで、市議会に3週間以内の行動を強制できる。有効署名を受け取ったあと、市議会は3つの行動のうちの一つを行う。(1)嘆願書をそのまま承認するために議決(可決され、市長が承認すれば実行される)(2)代替措置を提案し議決(3)11月の選挙で有権者によって決定される住民投票案を提出する。EDR陣営は(4)の住民投票を狙って活動している。
6月にキャンペーンが公になった直後、DSAスノホミッシュ郡支部はキャンペーンを支部として公式に支援するかどうか、支部会議で議論し、参加者全員賛成で可決した。
キャンペーンが開始されると、署名を集めるためのボランティアが呼びかけられた。署名活動は主に、高校の卒業式、LGBTプライドイベント、独立記念日の祝賀会など、市内の主要なイベントを対象とした。ボランティアの半数以上はDSAメンバーだった。私も、DSAのTシャツを着て署名活動を行っていると、DSAに興味を持つ人に数人出会った。長期的には、キャンペーンを通してDSAへの勧誘も行いたい。
労働者を民主的に代表
結果、1か月足らずで合計1600以上の署名が集まり、有効性がチェックされた後、最終的に1000以上の署名が市に提出された。陣営はこの問題が11月に投票に付されることを期待しており、スノホミッシュDSAは有権者を集めて確実に勝利を収めるために多大な努力を注ぐつもりだ。
DSAメンバーでありEDR陣営の一員でもあるマイク・ベリーヒルさんは、住民投票で最低賃金引き上げを狙う理由をこう語る。「献身的な社会主義者として、選挙政治に携わる私たちの主な目的は人々を代表することであるべきです。二大政党が資本の利益を代表し続ける一方で、このキャンペーンで私たちは労働者階級を民主的に代表することを目指しています」
DSAが24ZENKOに参加
全米最大の社会主義団体であるDSA(アメリカ民主主義的社会主義者)。筆者のニック・ワトキンスさんはワシントン州のスノホミッシュ郡支部メンバーとして活動しており、ZENKOin大阪にDSA全国政治委員会アーメド・フセインさんとともに参加する。
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