2024年08月09日 1833号
【議会を変える/「地元の幼稚園をなくさないで」/この声をなかったことにさせない/大阪狭山市議 小芝ひでとし】
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「公立の幼稚園・こども園を全て1箇所に統合するということですが、4園を1園にするのは無茶です。園がほとんどの家庭から遠くなり不便であり、規模、人数も大幅に大きくなり、今までの保育が行き届きません」「孫が東野幼稚園に通っています。今後も東野幼稚園に通う予定の孫もいます。なくなると大変困ります」「家から園までの時間がかかるようになると困る。朝は時間がなく、子どもがいるとイレギュラーなことが起きるので余裕がない」
これらが4月1日から22日まで行われた意見募集での意見である。幼稚園・こども園の統合については、明らかにこのような反対意見が多かった。しかし、大阪狭山市教育委員会は、このような意見を「なかった」ものにしようとしている。その姿勢が露呈したのが、7月7日から3回にわたって開かれたタウンミーティングであった。
「大阪狭山市の公共施設をみんなで考えるタウンミーティング」と銘打ったその会は、市民の声を聞くことよりも、市当局の方針を押しつける場にしようとするものだった。
時間の半分以上を、市と教育委員会の説明、公共施設縮小へ向けた講演にあて、その後のパネルディスカッションでも、市長や教育長、コーディネーターの発言が大半を占めるという運営であった。しかも、4月に行われた意見募集については、一言も触れなかったのである。意見募集で多くの反対意見があったことを市民に知らせたくなかったのだ。一昨年行ったアンケートについても、市民の声を聞いたとするだけで、「通園の距離・時間・方法が保護者の最大の関心事である」という結果の報告は避けたのだ。
市当局がいくら「なかった」ものにしようと思っても、1園になれば困る人が出るのは明らかな事実だ。8月13日から9月3日まで、パブリックコメントが実施される。今度は、結果の公表が必要とされる。「地元の幼稚園をなくさないで」の住民の要求を「なかった」ものにさせず、パブリックコメントを広く住民に呼びかけ、住民説明会の実現から統合案の撤回へ向けて根気強く運動を進めたいと決意している。
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