2024年08月16日 1834号
【みるよむ(704)/2024年8月3日配信/イラク国家闇#ニ罪と殺人】
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イラクでは、政府高官の腐敗や利権に絡んで、殺人事件や不可解な死亡事件が頻発している。2024年5月、サナテレビはイラク国家の闇≠フ中で行われているとも言える、このような犯罪事件を報道した。
冒頭の映像で若い女性が話しかけてくる。治安機関の男性のスキャンダルをもとに脅迫をしているようだ。このスキャンダルによって、バグダッド警察局長のウンム・ファハドがターゲットとなり、職を追われた。
サナテレビのレポーターによると、スキャンダルに関連する人物たちの間では、高級車を持ち高級住宅に住んで、政治家が金を与えることが普通に行われている。こうした人物たちが「女性の人身売買や麻薬密売に関係している」と言う。
まるでテレビドラマのような話だが、これは実際にイラクで起こっている。利権にありつく政治家や高級官僚とその取り巻きが引き起こす事件である。
犠牲となる若者たち
話はここで終わらない。事件を扱ったのだろう、ブロガーが暗殺された。グフラン・マフディ・サワデは「自宅の家の前で、配達員になりすました人物に、自家用車の中で殺された。犯人は、バグダッド中心部の雑踏で、何のためらいもなく、追われる恐れもなく、彼女を殺した」のである。
さらに、「売春を生業にしていたジョジョがバグダッドの刑務所で死亡した」と言う。不可解な状況での死亡で、どうやら暗殺されたようだ。若い人びとが権力者や反社会勢力との関係の中で次々に犠牲になっていくことには、暗澹(あんたん)たる思いにさせられる。
イラクでは、政治家や高級官僚の腐敗が進み、反社会勢力との関係も強まっている。その中で殺人が白昼公然と行われている。
サナテレビは、イラク社会の闇≠フ一端を示し、民主主義を徹底して利権構造をなくし不正と暴力の社会を変えようと訴えている。
(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)
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