2024年08月30日 1835号

【戦没者への冒とくは許さない 遺骨土砂で埋め立て断念せよ 具志堅隆松さんハンスト】

 沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さんは、日本の敗戦から79年となった8月15日、靖国神社前でハンガーストライキを行った。

 具志堅さんは、沖縄戦犠牲者の遺骨が眠る南部の土砂を辺野古新基地建設に使用しないよう求め、防衛省に何度も要請している。

 「日本軍の戦没者は、防衛省にとっては先輩であり戦友です。その戦友を殺した米軍に基地をつくってあげるため、防衛省は戦友の遺骨を海に捨てようと計画しているのです」。具志堅さんは、戦没者の尊厳を守るために訴えた。

 駆けつけた支援者も「断念せよ!」と大きく書かれたバナーを掲げ、具志堅さんのアピールチラシを配布する。

 チラシを受け取った20代の女性二人が飛び入りでマイクを握る。「パレスチナ、沖縄のことを考えないのは、自分の将来を考えていないことと同じだ」と無関心な同年代に厳しい指摘。二人は「遺骨を捨てるな」「米軍は基地をもってアメリカに帰れ」とプラカードを掲げて連帯した。イスラエルによるガザ虐殺に抗議する運動にも参加している。

 具志堅さんは日本政府の別の愚行も批判した。

 1945年3月の東京大空襲を指揮したカーチス・ルメイ空軍司令官は戦後、航空自衛隊の育成や日米親善に貢献したとして、勲一等旭日大綬章を贈られた。「終戦の日に戦没者に哀悼の誠を捧げる≠ニ言いながら、何十万の国民を焼き殺した指揮官に勲章を授与、遺骨を海に捨てようとする。犠牲者への冒とくだ」と具志堅さんは怒りをあらわにした。

 勲章を返納させるか、無効にする要求を、東京大空襲から80年の3月に行う。

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