2024年10月04日 1840号

【DSAアーメド・フセインさんに聞く(3)/「沖縄・ZHAP 辺野古の新基地建設は/勝利が可能な希望の象徴だ」】

 DSA(アメリカ民主主義的社会主義者)アーメド・フセインさんに、ZHAP(ZENKO〈平和と民主主義をめざす全国交歓会〉辺野古反基地プロジェクト)運動の展望について語ってもらった。(7月31日、那覇市にて。まとめは編集部)

Q ZHAP運動の今後の展望は?

ZHAPとの出会い

 私は、アンリンさん(DSA国際委員会)が、初めてZHAPについて教えてくれた時のことを覚えています。彼は「反基地プロジェクト」だと言いました。

 私は「ぜひ参加したい!」と即答。辺野古新基地を建設する大浦湾のこと、その埋め立て計画について知りました。

 ZHAPの資料の中では当初、辺野古の埋め立てを「reclaim the land(土地再生)」と英訳していましたが、より正しくは「landfilling(廃棄物等で埋め立てること)」です。アメリカ軍と日本政府は、土地を再生しようとしているのではなく、海を埋め立て破壊しているのです。

 私が生まれたバーレーンの基地も、埋め立てた海の上に建設され、美しい海が破壊されたのですから。

阻止の可能性高い基地

 沖縄の人びとが、この大浦湾を守るため、また基地建設を止めるために、どれだけ闘ってきたことか。

 この埋め立てに反対する県民投票が実施され、10年間も座り込みが続けられている。非常に熱心に取り組む活動家たちの姿を見て、この新基地は平和的で継続的な市民の行動によって、阻止される可能性が最も高い基地だと思います。

 もし沖縄の人びとが基地建設阻止の勝利を収めることができれば、それは世界中で記念すべき勝利としてたたえられることでしょう。

 バーレーンの人びと、ハワイの人びと、そして私たちが今、”Cop City(警察の軍事化施設)” に反対して闘っているアトランタでも同様です。

 Cop Cityとは、やってくるファシズムの兆候です。海外の侵略先で行われていた軍隊の暴力が、国内へ逆輸入されてくるのです。

 Cop Cityでは、侵略先と同じ戦術や戦略を使って、人びとを弾圧する訓練が行われています。国内に持ち込む戦術の残虐さ、それは軍事化という形で体現されています。警察官を見れば、全身武装し、自動ライフル銃を持ち、装甲車を乗り回しています。爆発物に対して防御するためです。まさに戦争に備えているのです。

 Cop Cityは、森の中に巨大な警察施設を建設し、すべてを破壊しています。

 現在、私たちは「Stop Cop Nation」のキャンペーンに取り組んでいます。なぜなら Cop Cityは、一つだけではないからです。

 Cop Cityはジョージ・フロイド事件後の蜂起への対策として始まり、まずアトランタ市で建設されたのですが、それ以来、 Cop Cityは全国で十か所以上も建設されています。

辺野古勝利はDSAにも

 もし私たちが辺野古で勝てば、すべてのドミノが倒れていくのは明らかです。

 もしアメリカがこの基地建設を譲歩すれば、他のすべての基地でも譲歩することになるでしょう。もしアメリカの帝国主義がこの基地を失えば、他のすべての基地も失いかねないのです。

 だから私は、辺野古の問題は単に大浦湾を救うだけではなく、勝利が可能であるという希望の象徴でもあると思います。これが、日米政府が躍起になって、辺野古から撤退することを拒む理由です。

 もし両政府がこれをあきらめ、沖縄県民からの声に屈すれば、他のすべての人びとにも闘う勇気を与えます。だから辺野古で闘い続けていることは、他の地域の人びとにも闘うよう激励し続けていることなのです。

 そして辺野古で勝利することができれば、私たちDSAもアメリカで勝利することでしょう。(終わり)



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