2024年10月04日 1840号
【大規模開発優先 市民サービス切り捨ての「西宮市財政構造改善」/署名でノーの声上げ 生活と命を守る/兵庫・西宮】
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西宮市は、全国で2番目に待機児童が多い状態です。ところが昨年、民間保育所(7か所)が保育士の確保ができず閉鎖しました。市長は「数年後には子どもが減っていくので、保育所を減らす」と言っています。
高齢者への「米寿のお祝い」「健康ポイント事業」は中止、バスの交通費助成では利用のない人には本人が申請しないと割引購入券が送られない―など介護保険、国民健康保険、後期高齢者医療の保険料値上げをはじめ、福祉施策を軒並み削ろうとしています。
学校給食費も1割も値上げ。市長は「値上げしないと、給食の質を落とすしかない」と発言しました。
このように、財政難を口実に市民サービス切り捨てのオンパレードです。
その一方で、大規模開発をどんどん進めています。市民の憩いの場が民間企業の儲ける公園になろうとしています。中央運動公園には、ミズノの「トレーニングジム」「ゴルフスタジオ」ができる予定です。また、来年、鳴尾浜臨海公園を民間レジャー産業の公園にする計画があります。「公募設置管理制度(Park-PFI)」を導入し、企業が新しい施設を市のお金で建設し、その施設を使って儲けることができる、20年たって古くなったら出ていくことができるというものです。
鳴尾浜臨海公園には4年前まで第3セクター運営のレジャー施設「リゾ鳴尾浜」がありました。一時は黒字だった施設も結局は赤字になり2020年閉鎖。解体されずに公園に残った建物の虚しさが「民間活力」の行きつく先を示しています。
中央運動公園も、建て替え整備だけなら概算127億円だった事業費が約218億円に膨らみました。その事業者選定の詳細は黒塗りでしか公開されませんでした。鳴尾浜臨海公園の事業費がいくらになるか、現在のところわかりません。
こうした一連の動きの背景にある「西宮市財政構造改善」は、国が推進する地方自治解体を一挙に進め、西宮市の姿を大きく変質させるものです。今、市民が声を上げて、西宮市の自治を守り、大規模開発優先でなく、市民サービス、独自施策を充実させなければなりません。市民が声を上げれば市政を変えられます。
これは全市民に関わる問題です。平和と福祉のまち西宮をつくる会は、市民生活と命を守るために「大規模開発優先するな!市民サービスの切り捨てに反対する署名」に取り組んでいます。12月予定のパブリックコメントで多くの声を届けたいと呼びかけています。
(平和と福祉のまち西宮をつくる会代表・広田かずや)
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