2024年10月11日 1841号

【1841号主張/軍拡・改憲・生活破壊ストップ/総選挙で石破自公政権を倒す】

総選挙で自公退陣へ

 10月1日、石破茂自民党総裁が首相に選出され新内閣が発足した。先立つ総裁選では候補者全員が改憲・軍拡推進を競い、特に極右・高市候補は都知事選で石丸候補を支えたグループの支援を受け地方票で第1位と危険な動向を示していた。

 新首相となった石破自身、岸田政権の戦争国家づくりとグローバル資本のための経済政策の継承を明言。核兵器の日米共有論や沖縄辺野古新基地の日米共同使用、自衛隊を国防軍とする改憲が持論だ。党役員人事や閣僚に元防衛相を並べる軍事優先の好戦的人物である。

 総裁選で「自民刷新」を宣伝したが、裏金や統一教会問題再調査は拒み、何も変わってないことがあらわになっている。その中で石破は、臨時国会の論戦を避け、10月9日解散、15日公示、27日総選挙方針を表明した。岸田を退陣に追い込んだ市民の怒りの力で総選挙に勝利し、危険な石破自公政権を退陣させよう。

軍事要塞化を止めよう

 石破は、集団的自衛権行使をアジアに拡大する軍事同盟「アジア版NATO」の創設や、米国に自衛隊基地を設置する構想を掲げる。世界的規模での日米共同派兵をめざす危険な策動だ。背景に、日本の対外純資産が471兆円(2023年度末)と33年連続で世界最大、対ASEAN(東南アジア諸国連合)直接投資残高が域外国第1位の海外権益がある。国内経済低迷の中、生き残りをかけた日本のグローバル資本の権益を確保するための侵略軍化だ。

 防衛省の来年度概算要求額は8・5兆円。5年で43兆円以上を見こした過去最大の軍事費は軍需産業に莫大な収益をもたらす。その財源捻出へ増税と社会保障削減を狙っている。

 全国の軍事要塞化と戦争路線も加速している。自衛隊司令部の地下化に2施設を追加。自衛隊利用を拡大する「特定利用空港・港湾」に12施設を加える。自衛隊は9月25日、発足以来初めて護衛艦が台湾海峡を通過する挑発行動を行った。軍事衝突を招きかねない危険な動きが進む今、領空侵犯に「危害射撃」を認める法整備を求めるという石破が首相の座についたのだ。

 命と暮らしを犠牲にする大軍拡予算、全国の軍事要塞化、戦争への挑発行動を止めなければならない。

鍵は市民の闘いの力

 一方、立憲民主党新代表の野田元首相は、改憲や軍拡、戦争法廃止に口を閉ざし、総選挙を前に「(共産党とは)一緒に政権を担えない」と共闘を否定する誤った姿勢だ。地域からの運動を強め、市民と野党の共闘を後退させてはならない。

 軍拡と増税、低賃金、物価高で厳しい生活を強いられている市民、若者に「苦しみは自公政治が原因」と訴えよう。ともに声を上げ、総選挙に勝利し、石破自公政権を倒そう。

 (10月1日)
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