2024年10月11日 1841号
【みるよむ(707)/2024年9月21日配信/労働者の参加なしに民主主義はない/全イラク労働組合連合大会】
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2024年7月26日、全イラク労働組合連合が大会を開催し執行部を選出した。
大会は、労働者階級のための闘いで命をささげた人びとへの黙とうで始まった。
最初に登壇したのは、1968年11月の植物油生産工場労働者のストライキのリーダーであったジャシムさんだ。このストライキは、フセイン独裁政権の残忍な弾圧の中で闘われた。英雄的な闘いとして現在にも語り継がれている。
ジャシムさんは「組織無くして労働者の地位も闘争もない。組織は対話と意見の多様性によって決まる」と述べる。労働者の組織、労働組合こそが労働者の闘いの砦であること、その組織は民主的な討議の中で作られていることを訴えた。
イラク石油労組と全イラク労働組合連合の指導者であるアブ・ワッタンさんが発言した。彼もまた、フセイン独裁政権の弾圧で亡命生活を余儀なくされ、帰国後、石油労働者の労働組合を組織した。イギリス占領軍が送り込んだ戦車部隊の威嚇に屈せずストライキを闘い抜き、戦車部隊を撤退させた。2009年のZENKOにも参加している。
アブ・ワッタンさんは「労働組合運動は腐敗を抑制するための社会的な監視を行う」「石油の富を政党が独占しないよう求め、大衆への公平な富の分配を要求している」と表明した。
女性の参画も強調
組合の執行部であり、女性・こども事務局長のカロードさんは「女性の参加なくして真の仕事はありません。全イラク労働組合連合はこの仕事を現場で体現しています」と報告した。
大会を通じて、労働者の権利を守り平等な社会を築く社会変革の闘いをはっきりと打ち出している。
イラクの労働者は、失業と低賃金に抗し、労働組合を結成して権力者の不正をただし、賃金引き上げ、生活向上のために闘っている。労働者による真の民主主義実現の闘いに連帯しよう。
(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)
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