2024年10月11日 1841号

【柏崎刈羽原発再稼働反対/なくそテ原発大集会に900人/県民投票直接請求署名成功へ】

 東京電力の新潟県柏崎刈羽(かりわ)原発の再稼働が迫る中、9月29日に柏崎市で再稼働に反対する集会・デモが行われた。「なくそテ(なくそう)原発2024 柏崎大集会」は、新潟県内18団体を含む21団体で作られた実行委員会が呼びかけ、県内各地、首都圏、関西圏などから900人が集まった。

 再稼働されれば、東日本で最初の稼働となるばかりか、福島原発事故を起こした東電が再び原発を動かす「資格」を得たとの既成事実とされる。「福島原発事故はまだ収束もしていない。東電に動かす資格はあるのか」。参加者共通の怒りだ。

 集会では、元裁判官の井戸謙一弁護士が講演。「原発事故国に責任なしの判決以降、コピペ判決が続く。裁判官の任地、ポスト、号俸(給与)がすべて最高裁人事局に握られ、最高裁人事には内閣の意思が大きくなった。最高裁は、今や宇賀判事と三浦判事しか信用できない。判決は裁判官個人の資質によるところが大きくなっている。法廷外の世論の後押しが大切」と、司法の劣化に警鐘を鳴らした。

 再稼働の地元合意を取り付けるため、東電は、1〜5号機の一部を廃炉し、青森県むつ市の中間貯蔵施設への使用済み核燃料の搬送を実行した。政府は、避難道路の拡幅などに国庫補助金投入を決めるなど、再稼働へと誘導してきた。

 新潟国際情報大の佐々木寛教授は「自民も立憲も代表選では原発問題を避けたが、石破は核武装論者で原発を最大限活用しようとする。2012年の県民投票条例請求は議会で否決された。県原発検証委員会で市民の安全性の立場から活動してきた池内了委員長を外した花角(はなずみ)英世知事だが、再稼働には最後は県民の信を問う、としているので状況は異なる」と、直接請求署名運動に期待をかけた。

 集会は「署名運動を支持し、運動成功に積極的に協力します」との集会宣言を参加者全員の拍手で確認した。デモは、柏崎駅まで「再稼働反対」「なくそテ原発」と訴えて歩いた。

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