2024年11月01日 1844号
【原発賠償京都訴訟控訴審12月判決 「国の責任」断罪へ/『決断』上映会で出会いと反響/原発賠償訴訟・京都原告団を支援する会 奥森祥陽】
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原発賠償京都訴訟は12月18日、大阪高裁第12民事部(牧賢二裁判長)による判決が言い渡される。
福島原発事故における国の責任を否定した2022年6月17日の最高裁不当判決(菅野裁判長)以降、上告棄却や地裁・高裁で国の責任を認めない最高裁コピペ判決が続く中、京都訴訟は高裁段階での最後の砦と言われる状況になっている。
地域に広がる上映会
原発賠償訴訟・京都原告団を支援する会(以下、支援する会)は、京都原告3名も出演しているドキュメンタリー映画『決断 運命を変えた3・11母子避難』上映会を、地域の団体の協力を得て京都・奈良・大阪で展開している。10人ほどの参加者から100人を超えるところまで、上映会の規模は様々だが、現在まで9会場で開催し、272人が足を運んでいる。
上映会の内容としては、映画『決断』の上映(90分)、最高裁判事と原発訴訟に関わる大手法律事務所との癒着を明らかにした後藤秀典さんのミニ講演ビデオ(25分)、原告のトーク(30分〜40分)を基本的な構成としている。
一連の上映会への参加者は、何を感じたのだろうか。感想のいくつかを紹介する。
▽幸せな生活がつぶされ、悩み、病気になられた方や子育て、離婚など。政府や東電は事実を認めて責任を取れ!と叫びたい▽決断した人たちのいろいろな立場・状況を取り上げていて、初めて当事者の声に触れることに感謝しています▽避難されている方の具体的な生活や考え、決断にいたるまでの経緯など、それぞれの様子がよくわかりました。今まで「自主避難」という言葉に何の疑問も感じていませんでしたが、この映画でその間違いに気づかされました▽知らないことがたくさんありました。裁判も本当に大切な裁判だと改めて思いました。私も「自分事」と考えてできることをしようと思います。
参加者が自らも行動へ
そして、上映会に参加した方が自分たちが活動する地域で上映会を開きたいと動いてきていることだ。
最初の連続上映会である奈良市高の原会場(7月15日)に参加した方は、奈良市内中心部や桜井市での上映会を企画(桜井市は台風のため中止)した。2024ZENKOin大阪にあわせて開催したエルおおさか上映会に参加した方は、東大阪市や大阪市城東区での上映会を開催している。
また、直近の上映会でも新たな出会いがあった。5月12日の支援する会総会での先行上映に参加したNさんは10月19日、京都府綾部市で「京都北部・市民放射能測定所の9周年の集い」として上映会を開催した。この上映会に参加した福井県おおい町在住のMさんは「ぜひ、原発立地県での上映会を実現したい」と意気込みを話してくれた。
映画『決断』と原告のトークは、参加者の心を動かし、次の行動へと確実につながっている。
支援する会としての上映会は11月でいったん終了するが、12月18日の控訴審判決を受け、新たな局面を踏まえた上映運動として継続していきたいと考えている。
◆11月24日(日)判決前集会 13時30分開会 京都弁護士会館
弁護団報告(控訴審の争点を中心に)/後藤秀典さんの講演/原告の訴え/連帯アピール ほか
◆12月18日(水)判決日の行動予定
9時30分開廷前集会(裁判所向かいの公園)/10時入廷行動(正門に向かって)/11時開廷・判決言い渡し/11時10分頃旗出し/11時30分報告集会/12時裁判所一周パレード/14時記者会見・判決報告集会(中之島公会堂中集会室)
詳しくは支援する会ウェブサイトをご覧ください。
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