2024年11月01日 1844号

【ZENKO沖縄参加団 与那国島へ/軍事化で破壊される自然と生活】

 10月19〜20日、ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)沖縄参加団は初めて与那国島を訪れた。山田和幸さん(おきなわ住民自治研究所会員)に島を案内してもらい、軍事化の現状や島民の生活などについて話をうかがった。

 日本最西端の島である与那国島は、台湾までわずか111`。気象条件が良ければ肉眼でも見ることができる。車であれば約1時間で回れる小さな島だ。与那国馬が放牧され、ティンダバナ、東崎(あがりざき)など景勝地が多くある。TVドラマ『Dr.コトー』のロケ地としても有名だ。

 政府は“台湾有事”を口実に琉球弧の軍事要塞化を強行している。真っ先に狙われたのが与那国島だ。

 与那国島には、2016年に陸上自衛隊与那国駐屯地を開設し、「沿岸監視隊」を配備した。南部のインビ岳には6基の監視レーダー施設がそびえ立っている。24年3月には「電子戦部隊」を配備。今後、駐屯地を東側に拡張し、射撃場や弾薬庫を新設するほか「地対空ミサイル部隊」の配備も狙う。

 さらに琉球列島最大規模の湿地帯である樽舞(たるまい)湿原を掘り起こし、新たに港湾施設を建設しようとしている。その大きさは全長約1・2`、幅約300bに及ぶ。生物多様性にとって重要であり、湿原の底の溝には地上から見えない川が流れ、水系を壊したら島全体に壊滅的な影響を及ぼす危険性がある。隣接するカタブル浜にエビの養殖場をつくる計画があったが、地元の反対にあい陸上に計画を変更せざるを得なくなった。

 山田さんは「破壊されているのは自然だけではない。地域の生活も徐々に破壊されている」と語る。

(ZENKO共同代表 田中拓真)  《詳報次号》

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